- 警察事務ってどんな仕事?
- 警察事務の仕事はどういう人が向いているのか知りたい
警察事務を目指しているけれど、具体的な仕事内容がイメージできず、警察事務という職種が自分に合っているのかどうか不安に感じていませんか?
そこで本記事では、警察事務職員として12年のキャリアを積んだ元職員が、現場での実体験を踏まえて警察事務の世界をご紹介します。
- 警察事務の配属先別の仕事内容
- 警察事務職員に向いている人の特徴3つ
- 警察事務職員になるまでのステップ
この記事を読めば、日々の業務内容を知れるだけでなく、警察本部と警察署といった勤務場所ごとの仕事内容のちがいについても理解できるため、就職後のギャップに悩むことなくスムーズに仕事に取り組めます。
ぜひ最後までご覧いただき、夢に向かって走り出しましょう!
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警察事務職員が活躍する3つの職場!それぞれの仕事内容
さて、そもそも「警察事務職員ってどこでなにやってるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために、警察事務職員が主に働いている3つの職場と仕事内容についてご紹介します。
①警察本部での仕事
警察本部での仕事は、都道府県ごとに違う部分もありますが、
私が働いていた県では、次のような部署に警察事務職員が配置されていました。
- 警務部:総務課、警務課、会計課、装備施設課、県民支援相談課、監察課、厚生課、情報管理課
- 生活安全部
- 刑事部
- 交通部
- 警備部
各課での主な仕事を、表にまとめました。
配属先 | 主な仕事 |
---|---|
総務課 | 警察施設の案内や広報活動 警察ホームページの管理 |
警務課 | 人事や採用、給与の管理 |
会計課 | 予算管理 契約発注から支払いまでの管理 落とし物の対応 物品管理 |
装備施設課 | 警察署や交番の施設管理 制服や信号機等の契約 |
県民支援相談課 | 公文書の管理や規則の確認 |
監察課 | 職員の表彰に関する仕事 |
厚生課 | 職員の健康管理や福利厚生に関する手続き |
情報管理課 | 情報セキュリティの指導 |
また、各部ごとに「庶務」を担当する職員もいて、各部署や職員の間に立って次のような仕事をしています。
- 物品管理:備品や消耗品の調達、在庫管理
- 人事・給与関連:勤務実績の確認、給与支給や手当の認定、旅費の手続き
- 福利厚生:健康診断の予約や保険証の発行など
警察事務職員の仕事は、とても幅広くさまざまな役割があることが分かりますよね。
②警察署での仕事
私が勤務していた県では、警察事務職員は「会計庶務課」という部署に配属されていました。
会計庶務課は、警察署の中で唯一、警察事務職員だけで構成されています。
会計庶務課での主な仕事を、表にまとめました。
配属先 | 主な仕事 |
---|---|
会計庶務課 | 【落とし物関連】 落とし物の受理・返還 遺失届の受付 【人事・給与関連】 警察署員の給与管理 出張等の旅費の手続き 【施設管理】 物品の購入 警察署や交番などの建物の維持管理 【予算管理】 予算の執行や決算処理 【福利厚生】 健康診断の予約保険証の発行など |
会計庶務課の仕事は、警察署がスムーズに動くために欠かせない役割を担っています。
落とし物の対応や市民サービスだけでなく、署内の職員を支える管理業務など、幅広い仕事を日々こなしています。
運転免許センターの業務
運転免許センターでは、免許の更新や講習をサポートする警察事務職員が働いています。
運転免許センターでの主な仕事を表にまとめました。
配属先 | 主な仕事 |
---|---|
運転免許センター | 【免許更新業務】 窓口対応 書類確認 写真撮影 【講習業務】 違反者講習の予約受付 講習の運営サポート 【安全運転支援業務】 病気や身体に障害のある方への対応 |
運転免許センターでの仕事は、直接市民と関わる機会が多く、スムーズで親切な対応が求められます。
警察事務職員に向いている人の特徴3つとは?
私は警察事務職員として12年間勤めました。
その経験をもとに、「警察事務職員に向いている人」の特徴を3つに絞ってお伝えします。
「自分に向いているかな?」
と気になっている方や、
「どんな人が活躍できるんだろう?」と
興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①サポートすることが好きな人
警察事務職員は、警察官や警察組織全体を支える役割を担う仕事です。
そのため、誰かをサポートすることに喜びを感じられる人に向いています。
表に出ることは少ないかもしれませんが、裏方として組織全体を支える「縁の下の力持ち」として活躍できるのが、この仕事の特徴です。
たとえば、次のような方に向いています。
- 書類整理やデータ入力といった地道な作業をコツコツ進められる人
- 困っている人を見ると自然に手を差し伸べたくなる人
また、チームの成功を大事にできる人や、自分の役割をきちんと果たせる人にも向いています。
サポート役として働きたい気持ちがあれば、警察事務職員として組織全体の成果に大きく貢献できるでしょう。
②コミュニケーション力がある人
警察事務職員は、たくさんの人と関わる機会が多い仕事です。
警察官や同僚だけでなく、市民への対応や外部機関とのやり取りも重要な役割となります。
そのため、相手としっかりコミュニケーションをとれる人に向いています。
特に窓口業務では、市民からの相談や問い合わせに対応する場面が多いです。
ときには、感情的になっている方や緊張した状況にいる方への対応が必要になることもあるでしょう。
こうした場面では、次のスキルが求められます。
- 相手の気持ちをくみ取る力
- わかりやすく説明する力
人と協力して仕事を進めるのが得意な人には、警察事務の仕事はとてもやりがいがあるでしょう。
③主体的に業務に取り組める人
警察事務職員は、単に指示を待つだけではなく、自分で考えながら行動する力が求められる仕事です。
たとえば、こんな場面があります。
- 複数の部署から依頼が来た場合、自分で優先順位を決めて効率よく進める
- 警察官が現場で必要とする情報を急いで準備する
- 市民対応で、状況に合わせて柔軟に案内やサポートを行う
主体性を持つことは、自分自身のスキルアップにもつながります。
自ら考えて行動し、積極的に取り組むのが好きな人は、警察事務職員として大きく成長できるでしょう。
警察事務職員になるには?
実は、警察事務職員になる道はとってもシンプルなんです。
一言でいうと、各都道府県が行う採用試験を受けて、合格することが第一歩。
でも、試験と聞くと、「どんな内容なの?」「準備は何をすればいい?」と不安が出てきますよね。
ここでは、警察事務職員になるために知っておくべきポイントを、ステップごとにわかりやすく解説していきます。
STEP1:採用試験を受ける
警察事務職員になるためには、各都道府県が実施する「警察事務(または警察行政)職員採用試験」に合格する必要があります。
この試験は、公務員試験の一種で、各都道府県の警察本部が採用を行っています。
試験内容や応募条件は自治体ごとに異なるので、受験を希望する都道府県の警察本部公式サイトをしっかりとチェックしましょう。
受験資格をチェック!
- 学歴や年齢に関する条件がある。
- 「高校卒業程度の試験(初級)」と「大学卒業程度の試験(上級)」がある。
- 初級と上級では試験の内容が違うため、自分がどちらを受けられるか要確認。
STEP2:採用試験の流れ
警察事務職員の採用試験は、いくつかのステップに分かれています。
試験の主な内容
1次試験 | 内容 |
---|---|
教養試験 | 公務員試験に基づく法律や行政の基礎知識、文章理解、数的処理など。 |
論文試験 | 自分の意見や考えを文章にまとめる試験。 |
2次試験 | 内容 |
---|---|
適性試験 | 職務に適した性格や能力を判断するためのテスト。 |
口述試験(面接) | 試験官と直接話して自分をアピール。 |
面接試験で重視されるポイント
- 適性:警察事務職員として向いているかどうか。
- 人柄:誠実さや落ち着きがあるか。
- 志望動機:なぜ警察事務職員になりたいのか。
特に、窓口業務や警察官のサポートが重要な役割となるため、次のような点が評価されます。
- コミュニケーション力
- 責任感
面接官は、現職の警察官や警察事務職員です。
「人となり」を見られるので、嘘のない誠実な答えを心がけましょう。
また、清潔感のある身だしなみや、丁寧な言葉遣いもポイントです。
面接のコツ
- 自分の経験に基づいて話す:これまでの経験を交えて、主体性や責任感を具体的に伝えましょう。
- 自信を持つ:落ち着いて、自分の言葉でしっかりアピールすることが大切です。
面接対策をしっかり行い、自分の強みを伝えられるよう準備しましょう。
STEP3:合格後の流れ
採用試験に合格したら、次は警察学校での研修が待っています。
約4週間
- 文書作成:書類の作り方や正しい記載方法を学ぶ。
- 情報管理:重要な情報を安全に扱うための知識を得る。
- 警察業務に関する法律:警察の仕事に必要なルールを学ぶ。
- 拾得物対応:落とし物を預かったときの書類の書き方などを学ぶ。
- 体力増強:ランニングや筋トレを行う。
この研修では、実際の仕事に直結するスキルを学べます。
4週間の研修期間の中で、警察官の方々と朝一緒にランニングをしたり、課外活動をしたりと、とても思い出に残る経験をさせてもらいました。
研修を終えた後は、警察署や警察本部内の各部署に配属され、実務を通じてさらに経験を積んでいきます。
警察事務についてのQ&A
警察事務を目指す人が特に気になるのは、お給料や試験の倍率、そして仕事の向き不向きではないでしょうか?
ここでは、よくある質問にわかりやすくお答えします!
- 警察事務のお給料はいくら?
- 警察事務の倍率はどれくらい?
- 警察事務の仕事は女性に向いているの?
質問1:警察事務のお給料はいくら?
給料は、勤務する自治体ごとに異なります。
警察事務の給料は、一般的に次のような基準で決められているようです。
- 勤務年数:働いた期間が長くなると昇給する。
- 勤務成績:頑張りが評価されるとお給料が上がることもある。
- 昇給制度:毎年一定額ずつ上がる制度がある自治体もある。
引用:警視庁採用サイト
質問2:警察事務の倍率はどれぐらい?
令和5年度の警視庁警察事務職員採用試験の倍率は、9.2倍でした。
これは、受験者450人に対して合格者が49人という計算になります。
引用:警視庁採用サイト
ちなみに、前年(令和4年度)の倍率は5.2倍だったため、大きく上がったことがわかります。
これにより、警察事務職員試験が非常に競争率の高い試験であることが見て取れます。
試験対策のコツ
特に事務職は応募者が多いので、次のことを意識して準備しましょう。
- 出題範囲を幅広く学習する
- 効率的に勉強を進める方法を考える
- ライバルに差をつけるための継続的な対策を行う
試験準備をしっかり行うことで、合格のチャンスをつかめます。
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質問3:警察事務の仕事は女性に向いているの?
地方の警察事務職員として12年間働いた経験から言わせていただくと、
「女性にとても向いてる仕事」
だと、自信を持ってお伝えします!
私が働いていた県では、警察事務職員の大半が女性でした。
結婚、妊娠、出産といったライフイベントがあっても、次のような理由で働きやすい環境が整っています。
- 福利厚生が充実:産休・育休や時短勤務などの制度が整っている。
- 安定した仕事環境:公務員としての職務のため、安定した収入と働き方ができ、長期的なキャリアを築きやすい。
私も産休と育休を合わせて、1年6ヶ月お休みをいただきました。
育児休業給付金を受け取れたので、経済的にも安心して子育てに専念することができました。
警察事務の仕事は、女性にとって、安心して働き続けられる職場といえるでしょう。
まとめ:警察事務の仕事はサポートが好きな人にぴったり!
この記事では、以下のポイントをご紹介しました。
- 警察事務の配属先別の仕事内容
- 警察事務職員に向いている人の特徴3つ
- 警察事務職員になるまでのステップ
警察事務の仕事は、幅広い業務内容があるだけでなく、ときには緊張感のある場面もあります。
しかし、社会の安全を守る大切な仕事に関われるというやりがいがあり、非常に刺激的で魅力的な仕事です。
この記事を通じて、警察事務職員の仕事の重要性と魅力を理解していただけたかと思います。
警察事務職員として働くには、まず採用試験に合格することが必要です。しっかりと準備をして、一歩ずつ合格に向かって進んでいきましょう!
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