警視庁では、社会人経験を持つ人を対象とした「社会人採用選考」が、令和8年度採用より新設されました。
警察官を目指す社会人にとって新たな選択肢が生まれた一方で、「自分の年齢や経歴でも受験できるのか」「通常の警察官採用と何が違うのか」と疑問に感じる人も多いようです。
この記事では、警視庁の社会人採用選考について、応募資格や年齢要件、試験内容などを徹底解説。
安齋警志塾講師で元警視庁の安齋が、受験前に知っておきたいポイントをわかりやすくお伝えします!
警視庁の社会人採用選考とは何か
警視庁の社会人採用選考は、従来のⅠ類・Ⅲ類といった警察官採用とは別に設けられた、社会人向けの採用制度です。
年齢要件や試験内容にも特徴があり、これまで年齢や経歴を理由に受験を諦めていた人にとって、新たな選択肢となっています。
ここでは、従来の警察官採用との違いや、社会人採用選考が新たに設けられた理由について、詳しく解説します。
従来の警察官採用との違い
警視庁の社会人採用選考は、従来の警察官採用と比べて、受験対象や選考方法にいくつかの違いがあります。
まずは、新卒を中心とした「Ⅰ類・Ⅲ類採用試験」との主な違いを比較してみましょう。
| 比較項目 | Ⅰ類・Ⅲ類試験 | 社会人採用選考 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 新卒・若年層が中心 | 社会人経験を持つ人 |
| 年齢制限 | 17歳~34歳 | 23歳~60歳 |
| 職務経験 | 原則不要 | 学歴に応じて異なる |
| 一次試験 | 教養試験・論文試験が中心 | SPI・書類選考 |
| 重視されやすい点 | 学力・基礎能力 | 人物面・社会人適性 |
Ⅰ類・Ⅲ類試験と比べると、社会人採用選考は年齢の幅が広く、社会人経験や人物面を重視する制度であることが分かります。
受験の間口が広がった一方で、年齢要件や選考内容、職務経験の扱いなどは、制度ごとに明確な条件が定められています。
そのため、社会人採用選考を受験する場合は、制度の特徴を正しく理解したうえで準備を進めることが重要です。
社会人採用選考が新設された背景と制度の狙い
警視庁の社会人採用選考が始まった背景には、人材確保が課題となるなかで、より柔軟な採用制度が求められてきたことがあります。



近年は警察官採用試験の受験者数が減少し、合格後の辞退率も高い水準で推移しています。
少子化や民間企業との人材獲得競争の激化により、従来と同じ採用方法では必要な人材を確保しにくくなっているのが現状です。
こうした状況を受けて警視庁では、年齢や学歴だけで一律に区切るのではなく、社会人としての経験や適性を個別に評価できる採用ルートとして、社会人採用選考を設けました。
学力試験中心の従来方式では拾いきれなかった、実務経験や対人能力を持つ人材を取り込むことが、この制度の大きな狙いといえます。
警視庁 社会人採用選考の応募資格・年齢要件
警視庁の社会人採用選考を検討するうえで、まず確認しておきたいのが応募資格と年齢要件です。
この制度は社会人経験者を対象としているため、年齢の範囲や求められる条件が、従来の警察官採用とは異なります。
特に年齢要件は大きく見直されており、制度上は60歳まで警察官を目指すことが可能となりました。
ここでは、社会人採用選考の応募資格や年齢要件について、詳しく見ていきましょう。
年齢要件が「60歳」まで拡大された制度の概要
警視庁の社会人採用選考は、従来の警察官採用と比べて、受験可能な年齢の幅が広く設定されています。
令和8年度採用では、23歳から60歳までが対象とされており、これまで年齢を理由に警察官採用を諦めていた社会人にも、受験の機会が生まれました。
ただし、年齢要件を満たしていれば誰でも受験できるわけではありません。
社会人採用選考では、次の応募資格を最低限満たす必要があります。
- 日本国籍を有していること
- 拘禁刑以上の刑に処せられた場合、その執行がすでに終了している、または執行を受けることがなくなっている状態であること
- 東京都職員として懲戒免職の処分を受けてから、2年を経過していること
- 日本国憲法や政府を暴力によって破壊することを主張する団体を結成・加入していないこと
- 平成11年改正前の民法に基づく準禁治産の宣告を受けていないこと(心神耗弱を原因とするものを除く)
いくら優れた職歴を持っていても、これらの条件を満たしていない場合は受験できないため注意が必要です。
なお、今回の社会人採用選考は、夏ごろに申込受付や試験がおこなわれましたが、年度によって変更される可能性があります。
受験を検討する場合は、早めに公式情報を確認しておくと安心でしょう。
学歴別に求められる職務経歴年数
警視庁の社会人採用選考では、学歴に応じた一定年数の職務経歴が求められます。
あらかじめ定められた基準に基づき、自身の学歴区分で条件を満たしているかを確認することが必要です。
社会人採用選考は、社会人として一定期間働いた実績があることを前提とした制度であるため、学歴が低いほど必要な職務経験年数が長く設定されています。
なお、職務経歴として通算できるのは、30日を1ヵ月として計算し、会社員や自営業者などとして6ヵ月以上継続して就業した期間に限られます。



短い期間で転職などを繰り返していた場合、職務経歴として通算できないケースもあるため注意が必要です。
警視庁 社会人採用選考の試験内容
警視庁の社会人採用では、「試験」ではなく「選考」という表現が使われています。
これは、学力だけでなく、人物面や適性も含めて総合的に判断する意図があるためです。
選考は一次選考・二次選考の二段階で行われる点は、Ⅰ類・Ⅲ類の採用と共通していますが、社会人採用選考では求められる内容や評価のポイントが異なります。
ここでは、社会人採用選考における一次選考・二次選考の内容を整理しながら、順に解説していきます。
一次選考の内容(書類選考・SPI・適性検査)
社会人採用選考の一次選考では、書類選考・SPI・適性検査が実施されます。
Ⅰ類・Ⅲ類の警察官採用でおこなわれている教養試験や論文試験は課されず、社会人としての基礎的な能力や適性を確認する内容となっています。
SPIは「SPI3(基礎能力検査)」が用いられ、GAT-U(ペーパーテスティング方式)による択一式試験です。
出題数は70題、試験時間は1時間10分となっており、言語分野・非言語分野を中心に、思考力や処理力が問われます。
なお、一次選考では面接こそないものの、書類内容や適性検査を通じて人物面も含めた評価がおこなわれています。
一次選考は、学力そのものよりも、社会人として警察官に適した基礎的素養があるかを総合的に判断する段階といえるでしょう。
二次選考の内容(面接・身体検査・体力検査)
二次選考では、面接・身体検査・体力検査によって最終的な合否判断がおこなわれます。
一次選考を通過した受験者を対象に、警察官として任用できるかどうかを、より実務的な観点から確認する段階です。
面接では、志望動機や職務経歴を踏まえながら、警察官としての適性や意欲、組織への適応力が評価されます。
社会人採用であっても、年齢そのものが評価基準になるわけではなく、警察官としての職務を継続して担えるかどうかが重視されます。
また、身体検査や体力検査では、警察業務に必要な基礎的な身体能力が確認されます。



二次選考は、人物面と身体面の両方から、警察官として適しているかを総合的に判断する選考といえるでしょう。
警視庁の社会人採用選考はどんな人に向いているか
警視庁の社会人採用選考は、年齢や経歴の幅が広がり、より多くの社会人が挑戦しやすい制度になりました。
一方で、警察官の仕事は、誰にでも向いている職業ではなく、年齢を重ねてから入る難しさもあります。
ここでは、社会人採用選考の特徴を踏まえながら、どのような人がこの制度に向いているのかを整理していきます。
年齢や経歴で警察官を諦めてきた人
警視庁の社会人採用選考は、これまで年齢や経歴を理由に警察官への道を諦めてきた人にとって、再挑戦の機会となる制度です。
従来の採用では年齢要件の壁が高く、「興味を持った時には受験資格がなかった」という社会人も少なくありませんでした。
社会人採用選考では、そうした背景を持つ人も対象となり、社会人として積み重ねてきた経験が評価の土台になります。
民間企業や自営業などで培った対人対応力や責任感は、警察官の仕事とも親和性があります。
「本当は警察官になりたかった」「一度は諦めたが、今なら本気で向き合える」と感じている人にとって、この制度は魅力的な選択肢となるでしょう。
覚悟と準備を前提に挑戦できる人
社会人採用選考に向いているのは、警察官という仕事の厳しさを理解したうえで、覚悟をもって挑戦できる人です。
社会人採用であっても、警察学校や現場では組織行動が求められ、年下の上司や指導員のもとで行動する場面も想定されます。
さらに、体力面や生活リズムの変化に加え、仕事を続けながら試験対策や体力づくりを進める必要がある点も、社会人ならではの負担といえるでしょう。



それでも警察官として働く現実を理解したうえで準備を重ねられる人にとっては、この制度は新たな可能性を広げる選択肢になります!
警視庁 社会人採用選考に向けて今からするべき準備
警視庁の社会人採用選考では、仕事と両立しながら準備を進めることになります。
限られた時間のなかで結果を出すには、やみくもに対策するのではなく、要点を押さえて効率よく、早めに準備を始めることが重要です。
ここでは、社会人採用選考を見据えて、今から意識しておきたい準備のポイントを紹介します。
SPI対策はいつから始め、どのレベルを目指すべきか
社会人採用選考におけるSPIの目標は、6〜7割程度の得点を取れる状態です。
SPI3は難問こそ少ないものの、限られた時間内で正確に処理するスピードが求められるため、形式や出題パターンへの慣れが結果を左右します。
そのため、遅くとも試験の2〜3ヵ月前には対策を始めておくことが望ましいでしょう。
短期間で一気に詰め込むよりも、日々少しずつ問題に触れ、時間配分や解き方に慣れていくほうが、高い効果を得られます。
なお、市販の問題集やアプリなど、学習方法はいくつかありますが、自分に合った方法で継続することが重要。
不安がある場合は、SPI対策をおこなっている講座や塾を利用するのも有効な選択肢の一つです。
体力づくりを早めにおこなう必要性
社会人採用選考でも、二次選考では体力検査がおこなわれます。
体力検査の詳細は明言されていませんが、これまでの警察官採用試験では、腕立て伏せ、上体起こし、反復横跳び、バーピーテストなどが実施されてきました。
社会人採用の場合でも、警察官に必要な基礎体力が求められる点は変わりません。
運動習慣がない人や体力に不安がある場合は、受験を決めた時点から無理のない運動を習慣化することが大切です。
受験前に必ず確認しておくべき公式情報
警視庁の社会人採用選考は、新しく設けられた制度であるため、年度によって募集内容や日程が変更される可能性があります。
特に、申込期間や試験日程、選考方法の詳細は、事前に把握しておかないと受験そのものができなくなるおそれがあります。
警視庁では、「令和〇年度警視庁採用サイト」として最新情報を随時更新しています。



不確かなインターネット情報や口コミに頼るのではなく、必ず公式サイトの一次情報を確認したうえで準備を進めるようにしましょう!
警視庁 社会人採用選考についてよくある質問
社会人採用選考の受験を検討するにあたって、疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、特に多い質問を取り上げ、一つずつ解説します。
派遣社員や自営業でも職務経歴として認められるのか
派遣社員や自営業としての就業期間も、6ヵ月以上継続して働いていれば職務経歴に含めることが可能です。
ただし、一部の都道府県警では「在学中のアルバイトは含まない」といった注釈が設けられている例もあります。
職務経歴の扱いに迷うものがある場合は、事前に公式窓口へ問い合わせておくと安心でしょう。
警察学校生活は年齢に関係なく同じなのか
社会人採用の場合でも、警察学校での訓練内容は基本的に他の採用区分と同じです。
年齢を理由に、待遇や訓練環境が特別に配慮される制度ではないことを、理解しておく必要があるでしょう。
また、年齢によっては、自分の子どもと同じくらいの世代が同僚や上司になる可能性もあるため、その点についてもあらかじめ覚悟しておくことが大切です。
倍率はどれくらいか
社会人採用選考は新設された制度のため、現時点で公表されている倍率データはありません。
他区分の実績を見ると、年度によって競争状況が大きく変動する可能性があります。
社会人は面接で不利にならないか
新卒での受験が中心となるⅠ類・Ⅲ類とは別の採用枠であるため、社会人経験が不利になることはありません。
ただし、社会人経験をどのように警察官の仕事に生かせるかが重要になります。
これまでの職務内容や身につけてきた力を、警察官の業務と結びつけて説明できるかどうかが、評価のポイントになるでしょう。
警視庁の社会人採用選考を検討している人へ
警視庁の社会人採用選考は、年齢や経歴の幅を広げ、社会人としての経験を評価する新たな採用制度です。
年齢を理由に警察官の夢を諦めてきた人や、社会に貢献したいという思いを持つ人にとって、魅力的な選択肢となっています。
ただし、社会人採用選考は申込受付期間が非常に短い点には注意が必要です。


この期間を逃すと、次の受験機会は翌年度以降となるため、受験を少しでも検討している場合は、早めに公式情報を確認しておきましょう。
また、社会人採用選考では、限られた時間のなかでいかに効率的に対策を進めるか、孤独になりがちな受験生活をどう乗り越えるかといった課題があります。
警志塾では、受験生一人ひとりの状況に寄り添い、仕事や生活と両立しやすい形で準備を進められるよう、サポート体制を整えています。
その結果、今年は「もう一度警察官を目指したい」という強い思いを持った、40代・50代の方が3名入塾しています。
社会人の受験は、同じ立場の仲間が少なく、不安や迷いを一人で抱え込みやすいものです。
支援体制のある環境で、同じ志を持つ仲間と情報を共有しながら準備を進めることは、社会人採用選考にのぞむうえで大きな力になるでしょう。



少しでも不安を感じているのであれば、まずは無料相談だけでも受けてみることが、次の一歩につながるかもしれません!
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