40代を迎え「社会に貢献できる仕事がしたい」、あるいは「若い頃に諦めた警察官をもう一度目指したい」と考える人もいるでしょう。
警視庁では、令和8年度から新しく社会人採用選考がスタートし、40代でも警察官を目指せるようになりました。
ただし、警察官になるということは、試験に合格すれば終わりではありません。
警察学校での生活や訓練、現場配属後の働き方など、あらかじめ理解しておくべき現実があります。
安齋この記事では、警志塾の講師で元警視庁の安齋が社会人採用の制度・合格後の流れ・警察官に向いている人の特徴を詳しく解説します!
40代から警察官を目指す人が増えている背景
近年、警察官の社会人採用枠が拡充されたことで、これまでよりも幅広い年代に受験のチャンスが広がっています。
警察官という職業が、転職の選択肢として現実的に検討される機会も増えてきました。
家庭環境の変化やこれまでの仕事経験を通じて「将来このままでいいのか?」とあらためて考え始めるのが40代。
「世の中に貢献できる仕事がしたい」と感じたり、将来を見越して安定性のある仕事を選びたいと考えたりする人も少なくありません。



こうした思いを背景に、警察官という仕事が40代の転職先の一つとして注目されています!
40代から警察官を目指すことは可能なのか
社会人採用制度の拡大により、40代でも警察官を目指すことが可能になりました。
従来のⅠ類・Ⅲ類採用では年齢要件が比較的低く設定されていましたが、社会人採用では年齢だけでなく、これまでの社会人経験も踏まえて選考がおこなわれる点が特徴です。
ここでは、警視庁の社会人採用試験の概要と、必要な条件について見ていきましょう。
警視庁の社会人採用試験の概要
警視庁の社会人採用試験は、民間企業などでの就業経験を持つ人を対象にした採用制度です。
一般的な新卒向け採用とは異なり、社会人としての職務経験や人物面を重視する点が特徴とされています。
試験の概要は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験時期 | 8月〜9月ごろ |
| 一次試験 | SPI試験・書類選考 |
| 二次試験 | 面接試験・身体検査・体力検査 |
| 職務経験 | 学歴や試験区分により必要年数が異なる |
社会人採用であっても、警察官として必要な適性や体力が求められる点は一般採用と変わりません。
試験の詳細や条件は年度によって変更されることもあるため、受験を検討する際は最新の募集要項を確認するようにしましょう。
40代が対象になる年齢要件と注意点
令和8年度採用の警視庁社会人採用選考では、23歳から60歳までが受験対象とされました。
年齢の幅は広がりましたが、受験には所定の応募資格をクリアしている必要があります。
- 日本国籍を有していること
- 拘禁刑以上の刑に処せられた場合、その執行がすでに終了している、または執行を受けることがなくなっている状態であること
- 東京都職員として懲戒免職の処分を受けてから、2年を経過していること
- 日本国憲法や政府を暴力によって破壊することを主張する団体を結成・加入していないこと
- 平成11年改正前の民法に基づく準禁治産の宣告を受けていないこと(心神耗弱を原因とするものを除く)
これらの条件を一つでも満たしていない場合、受験ができません。
また、社会人採用では学歴ごとに必要な職務経験年数が異なります。
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職務経験年数は累積でカウントされるため、40代の社会人であれば極端に難しい基準ではありません。
ただし、6ヵ月未満の就業期間は経験年数に含まれないなどの注意点もあります。



転職回数が多い場合や短期間の勤務が多い場合は、事前に職務経験年数を確認しておくことが重要です。
40代で警察学校に入ったらどうなる?
社会人採用で警察官になった場合でも例外なく警察学校からのスタートとなります。
若い世代と同じ環境で訓練や集団生活を送るため、実際の生活や人間関係に不安を感じる人も少なくありません。
ここでは、40代が警察学校に入る前に知っておきたいことを、訓練・生活・人間関係の面から紹介します。
体力面・訓練について知っておきたい現実
警察学校では、社会人採用であっても年齢に関係なく、若い世代と同じ訓練を受けることになります。
40代だからといって訓練内容が特別に軽くなるわけではなく、警察官として現場に出ることを前提としたカリキュラムが組まれています。
そのため、日常的に運動習慣がない場合や、体力に自信がない場合は、入校後に想像以上の負担を感じる可能性があります。



40代で警察官を目指すのであれば、自身の体力を客観的に見つめたうえで判断することが大切です。
寮生活や集団行動で戸惑いやすいポイント
警察学校では、寮生活が基本となり、相部屋での集団生活を送ることになります。
現時点では社会人採用を特別に分ける運用は示されておらず、年の離れた10代・20代と相部屋になる可能性が高い状況です。
社会経験を重ね、生活スタイルがある程度固まっている40代にとって、世代の異なる若者との共同生活は想像以上にストレスを感じる場面もあるでしょう。
自分がどのように関わり、どのように振る舞うべきか迷うこともあるはずです。
40代で警察官を目指すうえでは、こうした集団生活への心がまえが求められることを理解しておきましょう。
年齢より「期」が優先される警察独自の人間関係
警察の世界では、年齢や社会経験よりも「期(き)」と呼ばれる入校時期の序列が重視されます。
警察学校に同じタイミングで入校した者が同期となり、期が上の者が先輩、下の者が後輩という関係になります。
そのため、40代で入校した場合、自分より年下の先輩から指導を受けることは避けられません。



社会人から警察官になることは、年齢ではなく「期」を基準とした上下関係を受け入れられるかどうかも、重要なポイントなのです。
40代新人警察官の働き方と負担
警察学校を卒業すると、40代であっても新人警察官として現場勤務が始まります。
年齢や社会人経験に関係なく、働き方は若い世代と同じで、体力や生活リズムに負担のかかる勤務にも向き合うことになります。
ここでは、40代新人警察官がどのような配属から始まり、どのような負担や立場の変化に直面するのかを解説します。
配属は交番から始まる可能性が高い
社会人採用で警察官として採用された場合でも、勤務のスタートは交番になる可能性が高いとされています。
交番勤務では、住民対応や巡回、事件・事故への初動対応など幅広い業務を担当します。
当直や24時間勤務を含む勤務形態も一般的で、体力や生活リズムへの負担は小さくありません。



40代で警察官になる場合も、まずは交番勤務を通じて現場の基本を身につけていくのです。
装備品や業務による身体的な負荷
交番勤務や現場対応では、防刃ベストなどの装備を身につけた状態で行動することになります。
防刃ベストは一般的に2〜3kg程度とされますが、着用したまま職務にあたることは、想像以上に身体への負担となります。
さらに、現場では緊急対応も少なくありません。
防刃ベストを着用した状態で素早く動く場面もあり、日常的な業務とは異なる瞬発力や持久力が求められます。
年齢とともに体力の回復は遅くなるため、日々の体調管理だけでなく、基礎的な体力を維持できるかどうかも重要なポイントになるでしょう。
年下の先輩から指導を受ける立場になる現実
現場に配属されると、40代であっても新人警察官として扱われ、年下の先輩から指導を受ける立場になります。
書類の書き方や現場での動き方など、基本的な業務についても年下の先輩から教わる場面が続き、社会人としてのキャリアが長い40代にとっては、戸惑いを感じることもあるでしょう。
大切なのは、それが自分の価値や能力を否定されているわけではないと理解することです。



40代で警察官を目指す場合は、これまでの立場や経験を一度脇に置き、一から学ぶ姿勢を持てるかどうかが重要になります。
定年までの残り年数をどう考えるべきか
警視庁の警察官定年は、段階的な引き上げが進められており、将来的には65歳となる予定です。
40代で警察官になった場合、定年まで働ける期間は長くても20年程度。
若い世代と比べると在職期間は限られるため、「何を成し遂げたいのか」「どのような形で警察に貢献したいのか」を、入った後ではなく入る前から考えておく必要があります。
また、60歳以降は働き方が変わる可能性があります。
定年延長や再任用といった選択肢もあるため、定年後も警察に関わりたいのか、それとも一区切りと考えるのかを、日々考えていくことが大切です。
【40代】警察官がおすすめな人・不向きな人
40代から警察官を目指すことは制度上可能になりましたが、誰にでも向いている選択とは言い切れません。
警察官の仕事には、年齢に関係なく求められる覚悟や適性があり、40代だからこそ慎重に考えておきたいポイントもあります。
ここでは、これまで整理してきた警察学校や現場の現実を踏まえながら、40代で警察官を目指すうえでおすすめできる人の特徴と、よく考えたほうがよいケースについて整理していきます。
警察官の転職がおすすめな人の特徴
40代から警察官を目指す場合、これまでの経験や気持ちの強さはもちろん重要ですが、警察という組織や働き方に適応できるかどうかも大きなポイントになります。
以下は、40代から警察官を目指すうえで相性がよいと考えられる要素です。
- 社会人生活と並行しながら、採用選考の勉強に計画的に取り組める
- 警察官になって何をしたいのか、自分なりに言語化できている
- 体力面に一定の自信があり、日頃から健康管理を意識できる
- 年下の先輩からの指導を素直に受け止め、新人として一から学ぶ姿勢を持てる
- 年齢の離れた仲間との集団生活や訓練にも前向きに取り組める
- 当直や24時間勤務など、不規則な生活リズムに対応できる
すべてに当てはまる必要はありませんが、社会を守る仕事である以上、年齢とともに衰えやすい体力を補う努力は欠かせません。
また、新しい環境や経験を前向きに受け止められるかどうかも、40代から警察官として働き続けるうえで重要な要素になるでしょう。
警察官の転職が向いていない人の特徴
40代から警察官を目指すことは、新卒で警察官になる場合と比べると、乗り越えるべきハードルが多いのは事実です。
どれだけ強い思いがあっても、健康面に大きな不安があったり、体力面で著しく厳しい状況にあったりする場合は、慎重に検討する必要があります。
また、年下の先輩から指導を受けることや、若い世代との共同生活など、社会人として築いてきた立場を一度リセットする覚悟も求められます。



こうした環境の変化を前向きに受け止められるかどうかも、40代から警察官を目指すうえで重要な判断材料になるでしょう。
40代から警察官を目指す前に整理しておきたいポイント
社会人採用制度の拡充により、40代でも警察官を目指すことが可能になりました。
40代で警察官になることは、警察学校での訓練や集団生活、現場配属後の働き方など、ある意味これまでの経験やプライドを脇において一から学ぶ姿勢と覚悟が必要になります。
勇気が必要な一歩ではありますが、警察官になる意義を前向きにとらえて努力できるならば非常に価値ある挑戦です。
受験を考える場合は、まず公式サイトで最新情報を確認することから始めてください。
とくに警視庁の社会人採用選考は、受付期間が8月の約10日間と非常に短く、この期間を逃すと原則翌年まで受験できないため、早めの情報収集と準備が重要です。
また、40代からの挑戦では、限られた時間の中で効率よく対策を進めることが欠かせません。
周囲に受験仲間が少ない環境で努力を続けることも、大きな課題になります。
そんな受験生のために、警志塾では「仕事や家庭と両立しながら準備を進められるようサポート体制」を整えています。
今年は「もう一度警察官を目指したい」という強い思いを持つ40代・50代の方が3名入塾し、それぞれ本気で挑戦を始めています。
志を同じくする仲間とともに準備を進めることは、大きな支えになります。
少しでも不安があるのであれば、まずは警志塾で無料相談を受けてみるのがおすすめです。



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