警視庁の1次試験攻略ガイド|内容・対策法・倍率・合格ラインを徹底解説

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警視庁の警察官になるという夢を持つ方の、最初の難関となるのが第1次試験です。

毎年多くの受験者が第1次試験で不合格となり、警視庁警察官になるのを諦めるか、来年以降に持ち越してしまいます。

今回の記事ではそんな第1次試験について、内容から対策法、倍率などの試験情報まで徹底的に解説。

本気で警視庁の警察官になりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

まずは第1次試験の内容を知っておこう

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最初に、第1次試験の内容を理解しておきましょう。

第1次試験の内容
  • 筆記試験(教養試験・論作文試験・国語試験)
  • 資格経歴等の評定
  • 適性検査

第1次試験では、警察官として必要な一般教養や知識などを判定します。

資格経歴等の評定は、スポーツや音楽、語学にて、著しい経歴や能力を持っている場合のみ、評定対象となります。詳しくは、令和6年度警視庁採用サイトをご覧ください。

受験に際して知っておきたい事柄について、さらに詳しく見ていきましょう。

「共同試験」があるため東京都以外でも受験可能

共同試験は、地方に住む方が地元で警視庁警察官採用試験を受験できるよう、1道17県で実施する採用試験です。第1次試験は地元県が実施し、第2次試験は警視庁の試験官が、地元県に赴いて実施します。

1点注意したいのが、共同試験を1道17県で受けられるのは、男性のみだという点です。一応女性も令和4年度から受験可能となりましたが、受験地が限られており、令和6年度は広島県・愛媛県のみとなっています。

共同試験について、詳しくは以下の記事でもご紹介していますので、併せてご覧ください。

警視庁警察官採用試験の受験資格

警視庁警察官採用試験を受験しようと思ったとしても、以下の受験資格を満たしていなければ、そもそも受験できません。

受験資格
Ⅰ類(大学卒業程度)
  • 36歳未満で、試験実施日の前年度までに大学を卒業、または卒業見込みである
  • 試験実施年に21歳になる代~36歳未満で、大学卒業程度の学力を有している
Ⅲ類(高校卒業程度)
  • 36歳未満で、試験実施日の前年度までに高校を卒業、または卒業見込みである
  • 試験実施年に19歳になる代~36歳未満で、高校卒業程度の学力を有している

上記の年齢制限を満たしていることに加え、以下の項目に該当”していない”方が受験可能です。

  • 日本国籍を有していない
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わっていない
  • 都の職員として懲戒免職を受け、その後2年以上経過していない
  • 暴力団に関連する事柄に携わったことがある
  • 心神耗弱以外の原因で、準禁治産の宣告を受けている(ろうあ者など)

まずは自身が受験可能であるかどうか、試験に申し込む前に必ず確認しておきましょう。

第1次試験の試験日程と合格発表日

試験日程は各実施年によって異なるため、令和6年度試験の日程を下記にまとめました。

試験回受験区分第1次試験日申し込み受付期間
第1回Ⅰ類4月13日3月11日~25日
第2回Ⅰ類9月15日8月13日~23日
Ⅲ類9月14日
第3回Ⅰ・Ⅲ類令和7年1月12日11月29日~12月10日

第1次試験の実施日は、男女ともに上記の日程です。

受験の申し込みはインターネット申し込みのみ受け付けており、開始日9時〜最終日17時までとなっています。受付終了期間間近ですと、回線が集中し、時間に間に合わなくなる可能性があるため、注意しましょう。

当然ながら、虚偽の申告をしてしまうと、採用される資格を失う場合があります。

第1次試験の合格発表は、試験の終了後およそ2週間後に、郵便で通知されます。

第1次試験受験時の注意点

受験当日の受付時間は、8時20分〜9時までの間で、時間厳守です。

以下の持ち物を忘れていないか、必ずチェックしておきましょう。

受験当日に必要なもの
  • 受験票
    裏面に氏名が記入された写真の貼付が必須
  • 筆記用具
    HBの鉛筆3本以上、またはシャープペンシル、黒色ボールペン、消しゴム
  • 昼食・飲み物
    試験会場での購入不可
  • 資格経歴等を証明する書類
    申込時に申請した資格・経歴ごとの原本とコピーが必要。試験会場でのコピーは不可。
  • 腕時計
    時計のない受験会場もあるため、持参すると安心。卓上時計、スマートフォン、スマートウォッチは使用不可。

試験会場は複数用意されているため、必ず受験票で自身の試験会場がどこなのか、確認しておきましょう。

自転車やオートバイ、自動車の乗り入れはできませんので、基本的には公共交通機関を利用して受験会場に向かってください。

教養試験の出題範囲と対策法

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教養試験は、文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断からなる「知能分野」と、人文科学、社会科学、自然科学、一般科目からなる「知識分野」から出題されます。五肢択一のマークシート方式で、出題は50問、解答時間は2時間です。

各出題範囲がどのような問題なのか、またどのように対策すればいいのか、詳しく解説していきます。

文章理解

文章理解は、国語の現代文や古文、英語の問題が出題されます。

文章理解の出題形式
  • 内容把握
    長文を読み、内容と選択肢が合致したものを選ぶ。
  • 要旨把握
    長文の内容を正しく要約している選択肢(結論)を選ぶ。
  • 空欄補充
    長文内の空欄に当てはまる語句を選ぶ。
  • 文章整序
    文章を正しく並び替え、違和感のない文章に整える。

出題数は英語よりも現代文のほうが多い傾向にあり、古文はほとんど出題されません。

対策法としては、文章を読むよりも先に、まずは問題文を読みましょう。問題に書かれている内容が、文章内のどこに書かれているのかを探せば、文章をすべて把握するよりも短時間で解答できます。

判断推理

判断推理は、提示された条件をもとに、解答を推測するような問題が出題されます。

文章読解能力や論理的思考能力が求められますが、実は解答方法がパターン化されています。そのパターンを覚えてしまえば、問題によっては1分程度で解くことも可能です。

それぞれの問題ごとに、ある程度共通した解法が存在するため、詳しく知りたい方は、「警志塾」をぜひご活用ください。

数的処理

数的処理は、数学的な知識を問うような問題が出題されます。出題数は比較的多めです。

数学とひと口に言っても、二次関数、場合の数、確率、比と割合など、広範囲から出題されます。

文系の方にとっては難所になりやすい科目ですので、いつから対策し始めるのか、どの程度網羅するのかを決め、計画的に学習しましょう。

有効的な対策法は、とにかく過去問を解くことです。頻出問題から始めて学習範囲を広げすぎず、公式や解法のパターンを頭に染み込ませましょう。繰り返し解くことで、決まったパターンが存在することに気付くはずです。

資料解釈

資料解釈は、表やグラフなどの資料から、増加率・指数・構成比などを読み解き、計算をしながら解答を導き出す問題が出題されます。

こちらは解法のパターンが存在しないため、とにかく過去問を解き、問題に慣れるしか有効な対策法がありません。

解くのに時間がかかるケースが多いため、試験本番では時間配分が重要となります。

図形判断(空間概念)

図形判断(空間概念)は、提示された図形から、見えない部分を想像したり、切断面の形を考えたり、体積の差を求めたりと、空間把握能力を測るような問題が出題されます。

正六面体・正八面体などの展開図や、軌跡に関する問題は解法があり、比較的得点源となりやすいでしょう。しかし、立体図形や投影図など、解法が存在しない問題に関してはセンスがないと解きづらいため、苦手な方は、思い切って学習優先度を下げてみるのも1つの手です。

得手不得手がハッキリと分かれる科目ですが、毎年必ず出題されるため、一定の点数が取れるだけの努力はしておきましょう。

人文科学

人文科学は、歴史・地理・思想・文学・芸術など、人間の歴史や文化に関する問題が出題されます。

頻出問題である日本史・世界史は、全範囲を網羅しようとすると、とてつもない時間がかかってしまいます。過去問を参照してみると、近代史以降の問題が頻出していることがわかるため、範囲を狭めて学習したいところです。

地理・思想も、一見すると膨大な出題範囲のように思えますが、実は出題範囲が狭く、得点源になり得ます。

文学・芸術は出題頻度が少ないため、優先順位を下げて学習してもよいでしょう。

社会科学

社会科学は、政治・経済・法律・社会事情(時事問題)のような、社会科や公民で学んだような内容から出題されます。

対策法ですが、基本的な社会制度や政策は、過去問を解いて頻出箇所を重点的に学習しましょう。

中でも時事問題は頻出となるため、制度の改正や話題となっている事柄について、新聞やニュースなどを日々チェックしておくことが重要です。

自然科学

自然科学は、生物・物理・数学・科学・地学など、主に高校で習う理系科目から出題されます。全科目の中でも特に専門性が高く、特典に繋げづらい分野です。

高校の時に理系科目を履修していない場合、物理・科学の対策は非常に困難です。他の科目との兼ね合いで、学習の優先順位を下げる、もしくは場合によって捨てることも考えましょう。

文系の方は、暗記科目である生物を重点的に学習すると、効率よく得点できます。

一般科目(国語・英語・数学)

一般科目は、他の科目で出題される問題よりも専門性の低い、一般的な知識を試すような問題が出題されます。

特に重要となる対策法はなく、他の科目を学習していれば、それが自ずと対策に繋がります。

過去問を解き、頻出箇所がある場合はそこを重点的に学習すれば、確実に得点できるようになるはずです。

論(作)文試験の内容と対策法

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論(作)文試験は、設問に対して自身がどのような意見を持つのか、小論文形式で解答する試験です。出題は1題のみで、解答時間は1時間20分となっています。

警視庁では配点が公表されていませんが、どの公務員試験を見ても、この論(作)文試験の配点は高めですので、確実に対策するべきです。

小論文の書き方は一朝一夕では身につかないため、しっかりと時間をかけ、“正しい書き方”を覚えましょう。

対策として重要なのが、書き終えた小論文を第三者に読んでもらうことです。誰が読んでもわかりやすいかどうか、違和感のある表現はないかどうか、伝えたい事柄がはっきりと伝わっているかどうか、フィードバックをもらってください。

犯罪や近年の警察官事情なども出題される可能性がありますので、業務に関連する最新情報を、日々新聞やニュースから得ることを心がけましょう。

国語試験の内容と対策法

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国語試験は漢字の読み書き問題です。五肢択一のマークシート方式で、出題は50問、解答時間は20分となっています。

高校までに習う漢字が対象ですので、難易度は高くありません。

難易度が高くないとはいえ、誰しもが高得点すると予想されるため、他の受験生に差をつけられないためにも、満点を狙っていく姿勢で学習しましょう。

有効な対策法は、日本漢字能力検定の準2級〜2級のテキストをもとに学習することです。

適性試験の内容と対策法

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適性検査はその名のとおり、警察に適正があるかどうかを判断するための検査です。

よくある性格判断のような内容の質問が多数用意され、その質問に対して「はい・いいえ」で回答します。

特に対策が必要ない試験ではありますが、偽りの回答、もしくは警察官に似つかわしくない回答をしてしまうと、他の試験科目で良い点数を取っていたとしても、不合格にされる場合があるため注意しましょう。

過去3年分の試験倍率を男女別に紹介

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警視庁警察官採用試験の、過去3年分の倍率をご紹介します。第1次試験のみの倍率は公開されておりませんでしたので、最終合格倍率のみのご紹介です。

倍率は“学習意識をどの程度高く持つべきか”というモチベーションアップの材料にもなるため、一応チェックしておきましょう。

倍率が高くても低くても、結局のところ、受かる受験生は受かる、落ちる受験生は落ちるだけですので、そこまで不安になることはありません。

Ⅰ類男性の倍率

実施年受験者数合格者数倍率
令和4年度5,3798866.1
令和3年度5,8451,0275.7
令和2年度2,9606434.6

Ⅲ類男性の倍率

実施年受験者数合格者数倍率
令和4年度2,49224310.3
令和3年度1,3441588.5
令和2年度1,5432137.2

Ⅰ類女性の倍率

実施年受験者数合格者数倍率
令和4年度1,9422617.4
令和3年度1,8743036.2
令和2年度9061655.5

Ⅲ類女性の倍率

実施年受験者数合格者数倍率
令和4年度9331486.3
令和3年度506786.5
令和2年度530826.5

第1次試験の合格ラインは明かされていない

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警視庁警察官採用試験では、第1次試験の合格ラインは明かされていません。しかし、複数名の合格者の点数を見たところ、ある程度のラインが見えてきましたので、ご紹介します。

第1次試験の合格ライン目安
  • 教養試験:20点
  • 国語試験:30点

実際のところ、上記の点数よりも低い点数で合格した受験生もいましたが、だからといって手を抜いてはいけません。安全圏に入れるよう、教養試験は25点、国語試験は40点取れるように準備しましょう。

独学でも突破可能だが非常に困難

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予備校やオンラインスクールは多額の費用がかかるため、費用を抑えるために、独学を選択する方も多いことでしょう。しかし、独学のみで十分な試験対策を行うことは、非常に困難です。

効率的な学習計画を自身で考える必要がありますし、確実に毎日学習するために、徹底的な自己管理が求められます。小論文を友人や家族に添削してもらうにしても、相手はプロではありません。

もし「費用は抑えたいけれど、効率的に学習したい」「ある程度自分のペースで学習したいけれど、プロのフィードバックも受けておきたい」と思う方は、ぜひ警視庁合格に特化したオンラインスクール「警志塾」を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回の記事では、警視庁警察官採用試験の第1次試験について、実際に試験で出題された問題とともに、対策法や倍率など、さまざまなことをご紹介してきました。

現時点で、ご紹介した問題をすべて解けた方は、少ないのではないでしょうか。

すべての科目を完全に網羅しようとすると、いくら時間があっても足りません。

最初の難関となる第1次試験を突破し、警視庁の警察官になるという夢を叶えるためにも、効率的な試験対策をしていきましょう。

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