警視庁警察官採用試験には1次試験、2次試験があります。
教養試験、論文試験、国語試験からなる1次試験を突破しなければ、2次試験に進めません。
2次試験では、面接試験、身体検査、体力検査、第2次適性検査が行われます。
健康な身体や体力づくりも大切ですが、人となりをチェックされる面接は特に重要なため、事前対策が必要です。
警視庁採用試験では、どのように面接が行われるのか、練習方法や質問・回答例を解説いたします。
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警視庁採用試験の面接とは
警視庁採用試験の面接は、2次試験で行われます。
面接はスーツで臨みますが、体力検査や身体検査は運動着で実施するため、持参しましょう。
一度に大勢の試験が行われるため、試験の日程は案内された教室によって変わります。
面接が最後になる場合もあれば、いきなり面接に呼ばれるケースもあるため、心の準備をしておくと安心です。
教室に入ったら、面接カードと調査票を記入します。
書類の記入時間は30分程度です。面接カードには志望動機や長所、短所など、調査票には学歴や職歴など、履歴書に書くような内容を記入します。
細かな情報が必要なこと、試験ごとに内容が変わることから、メモを持って行き、見ながら書くのが安心です。メモの持ち込みは許可されていますが、スマホは使用禁止です。スマホのメモ機能ではなく、紙にメモを取っておきましょう。
メモに書くべき内容については、後ほど詳しく解説いたします。
「まず1次に受かってから面接対策をはじめよう」
と考える人が多いのですが、警視庁採用試験の面接で聞かれる質問は多岐にわたります。どんな質問にも自信をもって、すらすら答えるためには、早めの準備が欠かせません。
練習を20~30回するとして、1次試験の勉強や体力づくりの間にどれだけ時間が取れるのか、逆算しておくと余裕をもって面接に挑めます。
面接カード・調査票メモに書くべき内容
面接カード、調査票を作成するために、メモを作っておくべきだとお話しました。
どのような内容が必要なのか、事前にチェックのうえ、早めにメモを完成させておきましょう。
基本情報
- 氏名、郵便番号、住所
- 学歴(出身校の名前、住所、連絡先)
- 職歴(職務経験がある場合、勤務先の名前、住所、連絡先)
- 保有資格(資格の名称や取得日、資格を認定している機関も記載)
- バイク、自動車免許の有無(車やバイクを保有している場合、車種やナンバー)
- 家族構成(家族の氏名、年齢、生年月日、住所を記載します。の勤務先や兄弟の通学先情報も必要です。勤務先や通学先、親の単身赴任先、実家に住んでいない兄弟の住所も忘れずにメモしておきましょう)
- 親戚関係(祖父母や兄弟の配偶者、その子どもなど、4親等内までの情報が必要です、氏名や年齢、生年月日、住所を調べておきましょう)・健康状態(既往歴がある場合は、現在の状態を記載)
賞罰や経歴
- 部活やサークルの活動内容(部活動やサークル名、年数、担当教師名など)
- 部活動等での表彰歴や受賞歴
- 過去の交通違反歴、犯罪歴
- 停学や退学などの処分歴
- これまでのスポーツ歴(経験年数、段位、級など)
- ゼミでの活動内容(ゼミの名前、担当教官の名前など)
- アルバイト歴(アルバイト先の名称、担当業種、勤務期間、住所、電話番号など)
- ボランティア活動の有無(経験がある場合は、活動団体の名前や住所、電話番号、活動年数など)
- 警視庁採用試験の受験歴・合否(受験回数、受験した日付など)
- その他採用試験について(採用試験を受けている企業、試験があれば記載)
その他
- 長所、短所(なぜ長所なのか、短所なのか、という理由も記載)
- 警視庁を目指した志望動機(警察官との交流や体験など具体的な理由を記載)
- 配属を希望する部署(部署名と希望している理由を記載)
- 自己PR(忍耐力や体力、協調性などに関連する内容が良い)
- 趣味と特技(趣味や特技、はじめた理由など)
- 読書(好きな本や読書量を記載)
- 個人HPやブログ、SNS(URLやアカウントや活用方法を記載)
- 興味を持っていること(今現在興味があること、取り組みたいことを記載)
- これまでに取り組んできたこと(経歴以外の部分で、取り組んできたことがあれば)
これらのメモを完成させておくと、当日スムーズに記入できます。
パソコンやスマホでまとめておき、プリントアウトして持参するのも良い方法です。
警視庁採用試験面接の練習方法3つ
警視庁採用試験の面接に向けて、事前の練習が欠かせません。
どのように対策を進めるべきか、3つの方法を紹介いたします。
1:自宅で練習する
よくある質問を参考に、実際に聞かれた場合、どう答えるのか練習します。
ランダムで質問できるように、単語帳などを使用してシャッフルすると便利です。Webで公開されている、自主練習用の動画なども活用してみましょう。
費用がかからない、いつでも練習できる、という点が自宅練習のメリットです。
一方で、緊張感をもてない、面接の雰囲気を感じられない、受け答えが合っているのか分からない、というデメリットもあります。
2:家族や知人に質問してもらう
面接の雰囲気に近づけるために、家族や知り合いに質問をしてもらうと、本番に近い練習になります。聞き取りづらい部分、気になった部分をアドバイスしてもらうと、より質を高められるでしょう。
相手は面接のプロではないため、一般目線での意見しか得られない、というデメリットがあります。
3:面接対応のプロに相談する
模擬面接を実施しているスクールを利用すると、プロ目線でのアドバイスが受けられます。公務試験全般のスクール、警視庁採用試験に特化したスクールがあるため、警視庁向けのサービスを選ぶのがおすすめです。
警視庁採用試験に合格するために、どのような受け答えが必要なのか、直す部分はどこか、具体的に教えて貰えるため、合格に近づけます。
警視庁採用試験の面接質問と回答のコツ
警視庁採用試験の面接は、想定される質問を把握しておいたり、回答の用意をしておいたりと、スムーズに返事ができるようにしておく必要があります。
どんな内容が適しているのか分からない、という方のために、よくある質問と回答のコツを用意しました。面接対策の参考にしてみてください。
なぜ警察官になりたいのですか?
その他の公務員職ではなく、警察官になりたい理由を述べます。
「あなたにとって警察官はどんな存在ですか?」
という聞かれ方をする場合もあります。
「小さな頃から憧れていた」といった曖昧な回答ではなく「災害で警察官にお世話になった」「事故に遭った時、警察官に助けてもらった」など具体的な例を出してください。
テレビドラマや警察に密着するドキュメンタリーなどは、実際の働き方と違う例が多いため、回答には適しません。
警視庁を選んだ理由はどうしてですか?
その他道府県の採用試験ではなく、警視庁採用試験を受けた理由を述べます。
都内在住の場合は、「住んでいる地域の安全を自分の手で守りたいから」といった回答を考えてみましょう。地方から応募する場合は、警視庁で働きたい思いを、しっかり伝えましょう。
その他にも、
「警視庁にどのようなイメージをもっていますか?」
「警視庁で勤務する魅力はどこにあると思いますか?」
など警視庁ならではのイメージや、警視庁でなければならない理由を尋ねるケースが多くあります。警視庁でしかできないことをしっかりとリサーチしたうえで、回答を考えておきましょう。
「人助けがしたいから」といった回答をしてしまうと、「警視庁を選ばなくても、県警や消防、自衛官などでも良いのでは? 」と聞き返される可能性があります。すべてにおいてですが、曖昧な回答は避けるのがコツです。
どんな仕事に就きたいですか?
警視庁に採用された後、どのような仕事がしたいのか、確認する質問です。
回答に対して、「なぜその仕事に就きたいのですか?」「そう考えた理由はなぜですか?」「その仕事の内容を教えてください」と掘り下げられるケースが多いため、理由をしっかり考えておいてください。
この質問は、志望した理由と関連させるのがおすすめです。
A. 就きたいのは生活安全に携わる仕事です。
→なぜなら、自宅が窃盗の被害に遭った時、担当警察官の方が真剣に話を聞いてくださり、犯人逮捕につながったからです。
警視庁の採用ホームページには、代表的な職種が紹介されています。
自分が何をやりたいのか、事前に検討の上、適した回答を用意しましょう。
力を入れてきたことを教えてください
学生時代や部活動、サークル活動、ボランティア活動など、これまでに力を入れてきたことを回答してください。「何が大変だったのか」「あなたの役割、立場は?」「どこにやりがいを感じたのか」「どんな成果が得られたのか」といった掘り下げを予測して、回答を準備しておきましょう。
なぜその活動を選んだのか、その経験が警視庁で生かせるかどうか、という点も検討しておくと安心です。
これらの質問は、忍耐力や体力、協調性、コミュニケーション力などを確かめる意味合いがあります。
趣味や興味があることを聞かれる場合もありますが、このケースも、団体で取り組むスポーツや活動をしている、釣りが趣味で、釣れなくても待つ時間を楽しめる、といった回答を用意しておきましょう。
長所・短所を教えてください
自分の長所、短所を答えます。長所をどう警視庁で生かせるか、長所を生かして成功できたこと、といった質問に関連する答えも、考えておきましょう。
面接では、短所の質問の方が重要視されます。
なぜ短所だと思うのか、短所を改善するためにしていることはあるか、短所が原因でミスにつながった経験(ミス防止のための対策等)などもまとめておきましょう。
短所ではなく、これまでに失敗した経験、挫折した経験などを聞かれるケースもあります。
○○の事件についてどう思いますか?
新聞やニュースから、最近起きた事件や事故などについて、意見を聞かれるケースがあります。個人の感想だけでなく、自分が警察官だったらどう対応したいか、といった意見も用意しておきましょう。
警察官の不祥事に関連する質問も多いため、「絶対に許されない」という視点で、自分なりの再発防止策や意見をまとめておいてください。
逆に「最近、興味関心をもったニュースを教えてください」と聞かれる場合もあります。
なぜ興味をもったのか答えられるように、新聞やニュースから話題を集めておくと安心です。
親はどう思っていますか?
警視庁での仕事に対して、親が良く思っていない場合、採用されないケースがあります。女性の場合は特に、反対される例が多いため、きちんと話し合っておきましょう。
「喜んで応援してくれています」「初めは驚いていましたが、警視庁の仕事を詳しく説明したところ、現在は背中を押してくれています」といった回答がおすすめです。
「親には話していません」という返答は言語道断ですので、注意しましょう。
警視庁の仕事を乗り越えられますか?
警視庁の警察官は厳しい職種です。そのため、「仕事を長く続けられますか?」「警察学校の指導に耐えられますか?」といった質問をされる場合もあります。
厳しい仕事だと覚悟していること、乗り越える気持ちや体力があることなどを、前向きにアピールしましょう。
寮生活や集団生活をしたことがあるか、ついて行けなかったらどうするのか、警察学校の役目は何か、警察学校はどんな学びがあるのか、といった質問も想定されます。
採用される前の段階であっても、警察学校や警視庁の役割、内容をきちんと把握しておきましょう。
苦手な人はいますか?
誰にも苦手なタイプはいると思います。だからといって、「ルールを守らない人が苦手です」「うるさい人とは距離を置きます」といった回答では、良い印象になりません。
苦手な人はいるけれど、上手に付き合うようにしている、良い部分を見つけるようにしている、といった苦手を克服する取り組みで、協調性をアピールしましょう。
まとめ
警視庁の面接は、警察学校の指導に耐えられる人、警察官に相応しい人を採用するための試験です。
回答を通じて、一般常識があり、正義のために行動できる。周りと協力し合える、厳しい警察学校や警視庁の仕事にも耐えられる忍耐力、熱意がある。という部分をアピールしてください。
上手な受け答え、分かりやすい言葉選びも大切ですが、どのくらい警視庁で働きたいと思っているのか、といった本気度や、採用したくなる志望動機をもっている人材は、印象が良くなります。
警視庁の仕事や警察学校の内容をリサーチしたうえで、一緒に働きたくなるきっかけや志望動機を用意しておきましょう。
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