警視庁の警察官採用試験を受けたいけれど、地方に住んでいるから東京に出るのは大変だと感じている人におすすめなのが、共同試験です。
今回の記事では共同試験がどういった試験なのかや、受験することのメリット、受験できる地元県について、詳しく解説します。
採用試験の事前準備を万全にし、自信を持って試験に臨めるようになりたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
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警視庁採用試験における共同試験の基本情報
警視庁が行う共同試験とは、警視庁の警察官を志望する人が、地元でも受験できるように設けられた試験制度です。
地元県で受験できるようになることで、受験生が東京まで移動して受験しなければならないという負担を軽減できるため、より多くの優秀な人材確保が見込めます。
共同試験の基本情報
警視庁が行う共同試験の基本的な情報をまとめました。
- 【共同試験が行われる試験地】
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、愛知県、広島県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県(1道17県) - 【採用予定人数】
男性警察官100人程度で、内訳はA区分(警視庁のⅠ類に相当)が60名程度、B区分(警視庁のⅢ類に相当)が40名程度。各地元県ごとに採用予定人数が異なるが、詳しく知るには地元県への問い合わせが必要。
- 【受験の申込方法】
地元県の人事委員会事務局もしくは警察本部警務課に申込書を請求し、必要事項を記載のうえ、申し込む。その際に「志望順位欄」の該当箇所に「警視庁(東京都)」と記入する必要がある。 - 【試験方法】
第1次試験:地元県が実施
第2次試験:警視庁の試験官が地元県に赴いて実施
第2次試験内容:論(作)文試験、国語試験、面接試験、身体検査、体力検査、適性検査 - 【合格発表日】
第1次試験の結果:第2次試験日の10日前までに、合格者のみ郵送で通知
第2次試験の結果:A区分は約60日後、B区分は約70日後、受験者全員に郵送で通知
もしも共同試験が行われる地元県に住んでいない場合は、現住所から1番近い試験地の共同試験を受けましょう。
一点注意しておきたいことなのですが、警視庁の共同試験は男性のみ受験可能であり、女性警察官の募集はないため、女性は通常の警視庁警察官採用試験を受ける必要があります。
また、共同試験の第1次試験は教養試験のみ実施されることも覚えておきましょう。
各地元県の受験資格や試験申し込み期間、受験日については、本記事の後半でご紹介します。
共同試験を受けるメリット
共同試験を受ける1番のメリットは、地元で受験することで、移動や宿泊にかかる費用と時間が節約できることです。
加えて、これは今住んでいる都道府県を第一志望とする場合に限るのですが、警視庁の共同試験と地元の都道府県警察の採用試験を併願することが可能です。
その場合、試験のスケジュールが被らないようにするために、必然的に警視庁で受ける試験は第3回試験となります。
上記のような受験形態を取る場合、第一志望を地元の都道府県警察、第二志望を警視庁とすることは可能ですが、第一志望を警視庁と書いてしまうと、第二志望に地元の都道府県警察を書くことはできないため注意しましょう。
共同試験の倍率は通常の試験よりも高い?
警視庁や各都道府県警察による試験倍率の発表がないため、正確なことは言えませんが、共同試験の倍率は高くなりやすいといわれています。
通常の警視庁警察官採用試験を受ける人数が多ければいいのですが、遠方に住んでいる警視庁志望者全員が共同受験を受けることになった場合、100人程度の採用予定人数のパイを全地元県で奪い合わなければならないからです。
東京に赴かずとも受験できるという利便性があるがゆえに、競争率が激しくなることが予想されます。
もし共同試験を受けようと思っている人は、人一倍試験対策をするように心がけましょう。
共同試験が受けられる地元県一覧と試験情報
警視庁における共同試験の試験実施日は、各地元県によって異なります。
令和6年度試験の情報を記載しておきますので、次回の試験に向けての参考にしてみてください。
なお、現在未実施の試験については、令和5年度の情報をもとにしています。
共同試験の場合、受験資格が通常の都道府県警察の採用試験と異なりますので、注意しましょう。
北海道
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が2人程度でした。
- 【年齢】
A区分・B区分ともに平成4年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性 - 【A区分】
大学(短大を除く)等を卒業した者(令和7年3月末日までに卒業見込みの者を含む) - 【B区分】
A区分以外の者(高校在学中の者を除く)
- 申込み受付期間:3月1日~3月29日
- 第1次試験日:4月28日
- 第2次試験日:6月上旬~中旬
- 申込み受付期間:7月1日~8月16日
- 第1次試験日:9月22日
- 第2次試験日:10月下旬~11月上旬
青森県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が2人程度でした。
- 【年齢】
平成4年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた者 - 【A区分】
大学を卒業した男性または令和7年3月31日までに大学卒業見込みの者 - 【B区分】
A区分以外の男性(高校在学中の者を除く)
- 申込み受付期間:5月7日~6月14日(インターネットは6月7日まで)
- 第1次試験日:7月14日
- 第2次試験日:9月上旬
- 申込み受付期間:7月14日~9月1日
- 第1次試験日:9月24日
- 第2次試験日:11月中旬
岩手県
警視庁の採用予定人数はA区分・B区分ともに3人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月1日~3月22日
- 第1次試験日:4月21日
- 第2次試験日:6月4日~12日のうちの指定日
- 申込み受付期間:7月1日~8月2日
- 第1次試験日:9月22日
- 第2次試験日:11月11日~20日のうちの指定日
宮城県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月22日~4月19日
- 第1次試験日:5月12日
- 第2次試験日:6月4日および6月5日~11日のうち1日
- 申込み受付期間:7月26日~8月23日
- 第1次試験日:9月22日
- 第2次試験日:10月15日および10月16日~21日のうち1日
秋田県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分は未記載でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日以降に生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月1日~4月8日
- 第1次試験日:5月12日
- 第2次試験日:6月8日および6月25日~26日のどちらか1日
- 申込み受付期間:7月19日~8月14日
- 第1次試験日:9月22日
- 第2次試験日:10月上旬
山形県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:4月16日~6月17日
- 第1次試験日:7月14日
- 第2次試験日:第1次試験の合格通知に記載
- 申込み受付期間:7月12日~8月26日
- 第1次試験日:9月22日
- 第2次試験日:第1次試験の合格通知に記載
福島県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月1日~4月5日
- 第1次試験日:5月19日
- 第2次試験日:第1次試験の合格通知に記載
- 申込み受付期間:7月22日~8月23日
- 第1次試験日:9月22日
- 第2次試験日:第1次試験の合格通知に記載
愛知県
警視庁の採用予定人数はA区分が5人程度、B区分は募集がありませんでした。
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者
- 申込み受付期間:3月1日~4月10日
- 第1次試験日:5月12日
- 第2次試験日:6月3日~19日までの平日のうち1日と、6月1,2,8,9,15,16日のうち1日
広島県
広島県のHPには共同試験の記載情報が一切なかったため、おそらく未実施です。
愛媛県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分は募集がありませんでした。
平成2年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者
- 申込み受付期間:3月27日~4月22日
- 第1次試験日:5月11・12日
- 第2次試験日:6月上旬~中旬
福岡県
警視庁の採用予定人数はA区分が5人程度、B区分は募集がありませんでした。
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者
- 申込み受付期間:3月21日~4月11日
- 第1次試験日:5月11日
- 第2次試験日:6月下旬~7月上旬
佐賀県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分は未記載(令和5年度は2人)でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:5月2日~31日
- 第1次試験日:7月14日
- 第2次試験日:8月上旬~下旬
- 申込み受付期間:8月15日~9月13日
- 第1次試験日:10月20日
- 第2次試験日:11月上旬~下旬
長崎県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が令和5年度情報によると2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:5月1日~17日
- 第1次試験日:7月14日
- 第2次試験日:8月上旬~9月下旬
- 申込み受付期間:7月31日~8月10日
- 第1次試験日:10月15日
- 第2次試験日:11月上旬~下旬
熊本県
警視庁の採用予定人数はA区分・B区分ともに警視庁・神奈川県警・大阪府警・兵庫県警の合計で全10人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:4月15日~5月10日
- 第1次試験日:7月14日
- 第2次試験日:8月中旬~下旬
- 申込み受付期間:7月28日~8月18日
- 第1次試験日:10月15日
- 第2次試験日:11月上旬~下旬
大分県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が令和5年度情報によると2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月18日~4月11日
- 第1次試験日:5月12日
- 第2次試験日:8月中旬以降
- 申込み受付期間:7月24日~8月17日
- 第1次試験日:9月17日
- 第2次試験日:11月中旬以降
宮崎県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が令和5年度情報によると2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月5日~4月5日
- 第1次試験日:5月12日
- 第2次試験日:第1次試験の合格通知に記載
- 申込み受付期間:7月14日~8月23日
- 第1次試験日:10月15日
- 第2次試験日:第1次試験の合格通知に記載
鹿児島県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が令和5年度情報によると2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:3月11日~4月10日
- 第1次試験日:5月12日
- 第2次試験日:7月8日~12日のうち2日
- 申込み受付期間:7月24日~8月14日
- 第1次試験日:9月17日
- 第2次試験日:11月27日~12月1日のうち2日
沖縄県
警視庁の採用予定人数はA区分が3人程度、B区分が令和5年度情報によると2人程度でした。
- 【A区分】
平成元年4月2日~平成15年4月1日までに生まれた男性で、大学(短大を除く)を卒業した者または令和7年3月31日までに卒業する見込みの者 - 【B区分】
平成元年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた男性で、A区分に該当しない者
- 申込み受付期間:4月26日~5月17日
- 第1次試験日:7月14日
- 第2次試験日:8月上旬~下旬
- 申込み受付期間:7月3日~8月10日
- 第1次試験日:10月15日
- 第2次試験日:11月中旬~下旬
【番外編】警視庁以外の県警は女性向けの共同試験が存在する
警視庁の共同試験は男性しか受験できませんが、実は女性も共同試験が受けられる都道府県が存在します。
代表的なのが大阪府で、三重県・鳥取県・岡山県・香川県・愛媛県・福岡県・大分県・徳島県・佐賀県・長崎県・熊本県が受験可能です。
なお、警視庁との併願はできないため、警視庁で働きたい女性は通常の警視庁警察官採用試験を受けなければなりません。
まとめ
警視庁の共同試験は、警視庁の警察官を志望する受験者が、地元にいながら受験できるようになるための試験制度です。
苛烈な受験競争になる可能性も高いのですが、移動や宿泊の負担が軽減できて便利なため、受験に自信がある人は積極的に狙っていきましょう。
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