
警察官採用試験の合格に特化したオンラインスクール「警志塾」を運営している安齋です!
警視庁採用試験に合格して、警察官になりたいけれど、警察学校の指導についていけるかどうか不安……そんな悩みを抱えている人もいると思います。
体力に自信がなかったり、集団行動や寮生活をしたことがなかったり、という場合、より心配な気持ちが高まりがちです。
警察学校指導は厳しいといわれ、1割が脱落するともいわれている世界。
なぜ厳しい指導を実施するのか、どのような教育が待っているのか、警視庁採用試験を検討している方のために、入校後の毎日を詳しく解説します。
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警視庁の警察学校とは


警視庁採用試験に合格した方は、東京都にある警視庁警察学校で必要な知識や技術を学んだり、体力づくりをしたりするために職業訓練を受けます。東京以外の都道府県にも、それぞれ警察学校があり、採用された地域の学校に入校します。
警察学校は全寮制になっていて、卒業までの数ヶ月間(大卒者は6ヶ月、高卒者は10ヶ月)、警察官を目指す仲間とともに暮らしながら、訓練を積みます。
警察学校では、学習するクラスを「教場」と呼びます。木村拓哉さん主演のドラマで知られる「教場」も、警察学校が舞台です。この作品でも、冷酷な教官による厳しい生活が描かれているため、警察学校の生活は大変そう、というイメージがより浸透しました。
警察学校に入校すると、その時点で警察官扱いになります。入学金や学費は必要なく、警察官としての給与が支給されます。
警察学校の指導が厳しい理由


警視庁をはじめとする全国の警察学校の教官は、非常に厳しい口調、態度で指導を行います。
人権や個人の気持ちを大切にする学校、社会と違う世界になっているのは、警察官として働き始めた後、常識が通じない相手を前に、仕事をしなければいけないからです。
悪意のある言葉をかけたり、暴力を振るってきたり、脅してきたり、このような相手に立ち向かう力を身につけなければ、警察官として人を守れません。
現場で動じないメンタルや体力を身につけるために、警察学校の指導はあえて厳しくなっています。教官によるいじめではなく、指導として取り入れている、ここを理解して、教えを受け止めてください。
現役の警察官として勤務している人の多くが、警察学校時代は大変だったけれど、あの経験が仕事に生かされている、そう感じているそうです。厳しさの裏側にある“たくましい警察官になって欲しい”という思いを胸に、心身を鍛えておきましょう。
警察学校の何が厳しいの?


警視庁警察学校での生活には、厳しいと感じる場面がいくつもあります。卒業した警察官が、どのような指導でつらさを感じたのか、中身を見てみましょう。
規則正しい生活
警察学校では朝6:00の起床から、22:30の消灯まで、1日のスケジュールが厳しく定められています。規則正しい寮生活の中で、警察官に求められる規律意識の向上、仲間とともに問題解決する力を身につけます。
授業は、1時限80分×5時限です。
一般教養や法学を学ぶ座学、警察実務、武道や逮捕術、拳銃操法を学ぶ術科、鑑識技術、二輪操作などの授業が待っています。身体を動かす授業が多いため、慣れるまでは体力的なきつさを感じる場合もあります。
指導強化期間
警察学校では、入校してからおよそ1ヶ月の間を、指導強化期間として定めています。
この期間は特に指導が厳しく、携帯やスマホを禁じられたり、休日の土日であっても外出が認められなかったり、常に先輩が指導に巡回していたり、といった制限も多い時期です。
家族と離れ、毎日叱られ、大切な人に連絡もできない環境が、仲間との絆を深める時間になっています。
教練
教練とは、警察官に必要な警察礼式、部隊行動などを学ぶ授業です。
直立した姿勢で合図が出るまで長時間動かない、敬礼を何度も繰り返す、速やかに装備の点検をするなど、警察官の心得を身につけます。
全員の動きが揃っていない場合、教官から怒号が飛ぶ場合もあります。教練で教えられる内容は、警察官として働き始めた後も必ず必要な基礎です。そのため、しっかり時間をかけて指導されます。
教練だけでなく日常生活の指導など、新人警察官を一人前にするために、教官は24時間厳しく接します。警察学校にいる間は怒られるのが当たり前だと覚悟して、精神力や体力の向上を目指しましょう。
術科
術科では、柔道もしくは剣道(女性の場合は、合気道を加えた3つから選択)、逮捕術など、犯人確保などに必要な技術を習得します。これまでに武道などの経験がない場合、慣れない武術の練習が厳しく感じるケースがあります。
特に柔道や逮捕術は投げられたり、殴り殴られたりする指導もあり、身体に痛みを感じる、内出血が起きる、という場合もあります。自分や周りを守る力を手に入れるために、頑張って乗り越えましょう。
連帯責任
警察官は仲間と協力して動く仕事のため、常に教場単位、教場でできた班単位で行動します。そのため、仲間が忘れ物をしたり、指導中にミスをしたりした場合、連帯責任として罰が課せられる場合があります。
うっかりした人間、忘れっぽい人間が近くにいる場合、通常よりもハードな生活になる恐れがあります。
警察学校の厳しい県ランキング
警察学校の厳しさは全国共通と思われがちですが、実は都道府県によって指導スタイルや校風には差があります。特に「規律の厳しさ」「訓練のハードさ」「生活指導の徹底ぶり」などは、警察学校によっても異なるため注意しましょう。
警察学校の厳しい県ランキングは、以下の通りです。



警視庁



大阪府警



兵庫県警



京都府警



福岡県警
都市部では、地方では起きづらいような凶悪な犯罪が起きることも多いです。そのため、より厳しく指導することでどんな犯罪にも対応できるような人材育成を行います。結果的に、警視庁や大阪府警などの警察学校はかなり厳しいと言えるでしょう。
ただ、他の警察学校が厳しくないわけではありません。体育会系の道を歩んできた方でも、心が折れてしまうことも多いです。
そんな警察学校を乗り切るためには、仲間に頼りましょう。警察学校では、訓練や座学だけでなく衣食住も共にし、24時間一緒に生活しています。そのため、深い絆のある仲間となり、切磋琢磨しながら警察学校で生活することで、厳しい警察学校も乗り切れるでしょう。



警察学校の厳しいランキングは参考程度にしておくことが大切です!
警察学校がゆるい県はある?
警察官を目指す方の中には「厳しい警察学校は嫌だ」と感じている方もおり、ゆるい警察学校を探している方もいます。しかし、結論から言えばゆるい警察学校はありません。
警察学校は、警察官としての知識や技術だけでなく、規律や人間性を磨く場でもあります。これらを磨くためには、最低限の厳しい環境が必要であり、ゆるい教育では凶悪な犯罪に立ち向かえる警察官にはなれません。
また、時々「〇〇県の警察学校はゆるい」と耳にすることもあるかもしれません。しかし、何を基準にゆるいと判断しているのか不明であり、人によっても厳しいかゆるいかの基準が異なります。
そのため、警察学校で楽をしようと考えるのではなく、厳しい警察学校でどのように成長したいかを考えることの方が重要です。



厳しい警察学校だからこそ得られるものもたくさんあるんです!
警察学校は女性には厳しい?
警察学校には、男性だけでなく女性も入校します。そして、女性だからといって警察学校で学ぶ内容が変わることもなく、男性と同じ訓練をこなさなければいけません。
そのため、男性でも厳しいと感じる訓練や集団生活に、女性でもついていけるか不安に感じる方もいるでしょう。
ただ、女性でも警察学校の訓練についていくことは可能です。事実、警視庁は毎年数百人の女性警察官を採用しており、毎年数百人の女性が警察学校を卒業しています。
また、全国的に女性の採用を推進しており、女性警察官のための設備の充実化が進んでいます。警察学校では、女性寮の整備や女性指導官の配置などが進んでいるため、安心して警察学校で学ぶことができるでしょう。
実際、警察学校に入校した女性の多くは「最初は不安だったけれど、周囲のサポートも多くて乗り越えられた」と語ることも多いです。厳しさはありますが、警察官としての自信と誇りを身に付けるためにも必要なため、心構えと準備をして警察学校で成長しましょう。



警察学校では男女関係なく助け合うことが大切です!
警察学校には楽しいこともある


警察学校の指導内容は厳しいものですが、中には楽しみもあります。警察学校の良い部分も、併せてチェックしてみましょう。
食事が美味しい
警視庁の警察学校では、栄養バランスの良い食事が安価で食べられることで知られています。ご飯はおかわり自由。しっかり食べて、しっかり体力をつけられます。
かけがえのない仲間ができる
人気マンガ「名探偵コナン」で人気を博しているストーリーに「警察学校編」があります。警察学校で出会った5人の仲間が、互いを信頼し、協力しながら試練に立ち向かう姿が有名です。
このように、警察学校は全員が寮生活。同じ夢、目標を持つ仲間達と数ヶ月の間、密に過ごします。厳しい指導、訓練を励まし合いながら乗り越えた、かけがえのない仲間に出会えるはずです。
警察学校の厳しさに耐えるために出来ること
警察学校は非常に厳しく、準備をしておかなければ心が折れてしまうこともあります。警察学校の厳しさに耐えるためには、警察学校で必要になる能力をあらかじめ理解して対策しておくことが大切です。
警察学校の厳しさに耐えるために出来ることとしては、以下の3つが挙げられます。
- 規則正しい生活を身につけておく
- 体力や筋力など基礎的な能力を上げる
- ストレス耐性を高めておく
他にも、自分に必要だと思うことは準備しておくのがおすすめです。時間が無い方は、最低限以上の3つを対策しておくことで、厳しい警察学校も乗り切れるでしょう。



警察官に関する内容よりも、基礎的な部分を対策しておくのがおすすめです!
規則正しい生活を身につけておく
警察学校の厳しさに耐えるために出来ることとして、規則正しい生活を身につけておくことが挙げられます。
警察学校では、毎日が時間との勝負です。起床から始まり、点呼や訓練、食事、就寝までが分刻みで管理され、少しの遅れや乱れも厳しく指導されます。そのため、入校前から規則正しい生活リズムを身につけておくことが、警察学校生活にスムーズに適応するための第一歩となるでしょう。
特に重要なのは「早寝早起き」と「食事の時間を一定に保つこと」です。朝6時前後に自然に起きられる体内リズムを作っておくと、入校後の急激な生活変化によるストレスを軽減できます。
以上のことからも、日々の小さな行動から自己管理能力を養っておくことで、警察学校の厳しい規律にも柔軟に対応しやすくなります。
体力や筋力など基礎的な能力を上げる
警察学校の厳しさに耐えるために出来ることとして、体力や筋力など基礎的な能力を上げることが挙げられます。警察学校の訓練では、常に走ったり持ち上げたりなど、基礎的な体力と筋力が求められます。
訓練でなくても、体力錬成などで周りについていくためにも、最低限の体力や筋力は必要です。
ただ、器具などを使用した特別なトレーニング器具は必要ありません。週に数回のジョギングや自重トレーニングを続けるだけでも、基礎体力の底上げは十分可能です。
また、体力を付けておくことで、日々の寮生活でも体調を崩しづらくなります。疲れが溜まりやすい環境では、体調を崩すことで精神面にも悪影響が出やすくなるため、あらかじめ身体を慣らしておくことで精神的な安定も得られるでしょう。
ストレス耐性を高めておく
警察学校の厳しさに耐えるために出来ることとして、ストレス耐性を高めておくことが挙げられます。警察学校では、慣れない集団生活や厳しい訓練、上下関係の中で、想像以上のプレッシャーや緊張を感じる場面も多いです。
特に、教官からの厳しい指導や時間通りに行動することへのプレッシャー、同期との人間関係など、精神的に負担となる要素は避けられません。
その中で大切なのは、ストレスを受けたときに「どう対処するか」ということです。日頃から、深呼吸やストレッチ、軽い運動など、自分なりのリラックス法を見つけておくことで、感情のコントロールがしやすくなるでしょう。
さらに、信頼できる人に悩みを打ち明ける習慣を持っておくことも有効です。実際の学校生活でも、同期と励まし合ったり先輩や職員に相談したりすることで、孤立せず乗り越えやすくなります。
警察学校に関するよくある質問


警察学校に関するよくある質問を以下にまとめたので、参考にしてください。
- 警察学校に学費は必要か?
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原則として学費はかかりません。警察学校は、給与が支給される職業訓練の一環として位置付けられています
- 柔道や剣道の経験が無くても大丈夫か?
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柔道や剣道の経験が無くても問題ありません。入校後に基礎から指導を受けるため、未経験者でも十分に習得可能です。
- 警察学校でスマホは使えるのか?
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警察学校でのスマホ使用は大きく制限されており、許可された時間帯や用途に限られることがほとんどです。
- 途中で外出することは可能か?
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原則として平日の外出はできませんが、休日や外出許可が出た場合に限り可能です。細かいルールは警察学校によっても異なるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ


警視庁をはじめとする警察学校の指導は、非常に厳しい内容になっています。
その裏には、卒業生が警察官として歩み出したときに、ちょっとやそっとでは折れない強靱な精神、肉体を身につけて欲しい、という思いが込められています。
すべてが警察官として働くために、必要なカリキュラムです。
「人を守る仕事に就くのだから厳しいのは当たり前」
「警察学校の指導を乗り越えたからこそ、頼れる警察官になれる」
そんな気持ちで、教場の教官、仲間と過ごす毎日を、有意義に過ごしてみてください。
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