
警察官採用試験の合格に特化したオンラインスクール「警志塾」を運営している安齋です!
警察官を目指す方の中には「刑事」という業務に興味関心を持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、警察官と刑事がどのように違うのかや刑事の仕事内容を明確に理解できている方は少ないです。刑事を目指すなら、具体的な仕事内容や刑事になる方法などを事前に理解しておきましょう。
今回は、警察官と刑事の違いや刑事になる方法、刑事に向いている人などを紹介します。この記事を参考にすることで、警察官と刑事の違いを理解した上で刑事を目指すかどうか判断しやすくなるでしょう。
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刑事とは?


刑事とは、殺人や強盗などの犯罪捜査や犯人逮捕をメインに行う警察官のことです。犯罪捜査や犯人逮捕に特化しているため、刑事事件の対象となる事件を扱います。
日々の業務としては、事件現場周辺での聞き込みや防犯カメラの操作、犯人の取り調べなどを行います。専門的な知識や経験が必要となるだけでなく、推理力や洞察力も必要です。
また、周辺住民への聞き込みや犯人への取り調べなどの際には、やり取りをスムーズに進めるためのコミュニケーション能力も求められます。
刑事という仕事があることで、我々一般市民が普段から平和に過ごすことができていると言えるでしょう。



刑事は犯人逮捕のために必要な業務をあらゆる角度から行います!
警察官と刑事の違い


一般的な警察官と刑事の違いは、主な仕事を事件が発生する前か後のどちらで行うのかという部分です。
一般的な警察官は、事件が起きないように日々のパトロールや取締りなどを行います。しかし、刑事の主な仕事は犯罪捜査や犯人逮捕となるため、事件が起きて初めて仕事が始まると言えるでしょう。
また、刑事は警察学校を卒業してすぐになれるわけではありません。まずは交番勤務で経験を積み、一定の勤務年数や周りからの評価を得た後に、決められた講習を受ける必要があります。
一般的な警察官として働きたいだけなら、警察学校を卒業してすぐに警察官として働けます。以上のような部分も、刑事との大きな違いと言えるでしょう。



極端に言えば、事件が全くなければ刑事がやることはほとんどありません!
仕事内容
警察官と刑事では、仕事内容が大きく異なります。警察官の仕事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 交番勤務やパトロール
- 交通違反の取締り
- デモやイベントなどの警備
- 市民生活の安全保持
- 災害や緊急事態対応
- サイバー犯罪対策
対して刑事の仕事内容は、犯罪捜査や犯人逮捕に関連する以下の業務が多いです。
- 事件現場での初動捜査
- 目撃者や関係者への聞き込み
- 被疑者の逮捕や送致
- 犯人への取り調べ
- 捜査資料の作成
- 潜入捜査や張り込み
- 被害者や被害者遺族の対応
参考:刑事警察 | 職種紹介 | 令和7年度警視庁採用サイト
警察官になってからどんな仕事をしたいかによって、一般的な警察官か刑事になるのかを判断しましょう。
服装
警察官と刑事では、仕事中の服装にも違いがあります。刑事以外の警察官は、基本的に警察組織から支給される制服で仕事を行います。これは、警察官だとすぐにわかるようにすることで、市民への安心感や犯罪の抑止力にするためです。
一方で刑事は、私服(制服以外の服装のこと)で仕事をこなすことがほとんどです。刑事の仕事では、張り込みや尾行など捜査をしていることを犯人にバレないように進めなければいけない状況もあります。
私服で活動することで、パッと見では警察官とわからないため、犯罪捜査を円滑に進めやすくなっています。私服とは言っても、必要に応じて警察手帳や装備(拳銃や手錠)を隠し持つこともあることを理解しておきましょう。
勤務形態
警察官と刑事では、勤務形態にも違いがあります。警察官は、基本的に「交替勤務制」で働くのが一般的であり、3交替制や4交替制(警視庁のみ)で働いています。3交替制の場合、以下のような働き方が一般的です。


一方で刑事は「日勤業務」と呼ばれる働きが一般的です。日勤業務では、平日の昼間が仕事となり、土日や祝日などは休みとなります。民間企業や事務職として働く警察官と同様の働き方です。
ただ、月に数回は当直勤務が入ったり、休みの日でも大きな事件があれば呼び出されることも多いため注意しましょう。
刑事の1日のスケジュール
刑事の1日のスケジュールは、24時間勤務を行う一般的な警察官とは異なります。具体的なスケジュールは、以下を参考にしてください。
出勤
署長訓練を受ける
聞き込み・現場確認・張り込みなどの捜査活動開始
昼食・休憩
参考人や容疑者への事情聴取
調書作成・データ整理・報告書作成
引き継ぎ・日報作成・退勤準備
退勤
参考:刑事の一日
上記の表は、日勤業務として働く場合です。当直勤務であれば、夜間の事件捜査や出動要請にも対応します。
また、日勤業務の場合でも、状況によって残業や深夜勤務となる可能性もあることを理解しておきましょう。



刑事を目指すなら、どんな働き方になるのかを理解しておくことが大切です!
その他に知っておくべき様々な違い


警察官と刑事の違い以外にも、似ている言葉で全く違う役割を担っているものも多いです。具体的なものとしては、以下の3つが挙げられます。
- 刑事課と刑事部の違い
- 警視庁と警察庁の違い
- 警察と検察の違い
警察官を目指すなら、警察官と刑事の違いに加えて以上3つの違いも理解しておきましょう。これらを理解していないと、業務に支障が出ることもあるため注意が必要です。



警察官として働くなら、最低限理解しておくべき項目でもあります!
刑事課と刑事部の違い
刑事を目指す方が目にする部署として「刑事課」と「刑事部」があります。初めて聞く方にとっては、何が違うのかわかりづらいかもしれません。
刑事課と刑事部の具体的な違いは、以下の表を参考にしてください。
項目 | 刑事課 | 刑事部 |
---|---|---|
所属組織 | 各都道府県の各警察署 | 都道府県警察本部 |
組織の規模 | 小規模(署単位) | 大規模(県単位) |
主な役割 | 窃盗・傷害・性犯罪など地域内の犯罪捜査 | 広域事件・凶悪犯罪・専門犯罪の捜査 |
管轄エリア | 各市区町村単位で捜査 | 県全体、または複数署にまたがる捜査 |
担当業務の例 | 一般的な刑事事件の初動捜査、取調べ、検挙など | 殺人事件、組織犯罪、薬物犯罪、国際犯罪の捜査など |
刑事を目指す方のほとんどは、まず刑事課へ配属されます。刑事課へ進んだ後、刑事としてより高度な専門知識やスキルを習得したい場合には、異動や昇進という形で刑事部へ所属することが多いです。
警視庁と警察庁の違い
警察組織の種類でよく聞くものとして「警視庁」と「警察庁」があります。こちらも、名前は似ていますが全く別の警察組織です。
警視庁と警察庁の具体的な違いは、以下の表を参考にしてください。
項目 | 警視庁 | 警察庁 |
---|---|---|
組織の種類 | 東京都を管轄している「都」の警察行政機関 | 国の行政機関 |
管轄範囲 | 東京都内のみ | 全国の警察を統括・調整 |
主な業務 | 東京都の治安維持・犯罪捜査・交通取締など | 全国警察の企画・立案・統一指導など |
警察官の数 | 約4.3万人(日本最大規模の警察組織) | 約2,000人(主にキャリア官僚や技術系職員) |
指揮系統 | 東京都公安委員会の管理を受ける | 国家公安委員会の管理下で警察行政を所管 |
参考:第1項 警察の体制
参考:警察のしくみ|警察庁Webサイト
組織の種類や管轄範囲、業務内容などは同じ警察組織でも全く異なります。
また、どちらも警察官として働いていますが、警視庁は警視庁の警察官採用試験に合格すれば良いのに対し、警察庁の警察官になるには国家公務員試験に合格しなければいけないため注意しましょう。



警察庁に入るには、警察庁の官庁訪問を受けて合格する必要もあります!
警察と検察の違い
「警察」と「検察」も良く似ていますが、全く別の組織です。警察と検察の仕事は、犯人逮捕から起訴まで繋がっていることからも、それぞれの違いや特徴を理解しておきましょう。
警察と検察の具体的な違いは、以下の表を参考にしてください。
項目 | 警察 | 検察 |
---|---|---|
組織名 | 各都道府県警察(警視庁含む)※統括は警察庁 | 検察庁(最高検・高検・地検・区検) |
所属 | 行政機関(内閣府) | 司法機関(法務省) |
権限 | 容疑者の逮捕、証拠収集、取調べなど(捜査が中心) | 被疑者の起訴・不起訴を決める独占的権限 |
捜査の主体 | 被害届を受けて捜査、容疑者を特定・送致を行う | 警察から事件を受け、法的判断と裁判対応を行う |
裁判との関係 | 裁判の証拠を集め、検察への送致を行う | 裁判の原告として、被告を訴える(公訴) |
参考:検察庁の役割
参考:法務省:検察官及び検察事務官の職務
参考:刑事事件に関わる組織とそれぞれの役割を知る~警察、検察、裁判所~
検察の仕事には、多くの法律が関わってくるため非常に複雑です。内容が難しいと感じる方は、警察は事件の捜査を担当し、検察は事件の起訴判断と裁判を担当すると理解しておきましょう。
刑事の階級は?


「刑事」は役職であり、階級の名前ではありません。刑事の階級として多いのが「巡査」と「巡査長」です。つまり、刑事として働きたいなら階級に関係なく、普段の勤務態度や成績次第で刑事として活躍できるでしょう。
また、同じ刑事課に所属していても警部補以上の場合、係長や課長などの役職で呼ばれます。係長や課長は実際の現場で働く機会よりも、刑事課全体を指揮・監督する業務が多いです。
そのため、刑事として現場で活躍したいのか捜査全体を指揮・監督したいのかによって目指すべき階級も異なります。



刑事として働きたい方は、階級を上げることよりも刑事課への希望や普段の勤務態度に注意しましょう!
警察官の階級について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。


刑事になるには?


刑事になるために、特定の試験を受験する必要はありません。警察官採用試験に合格して警察官として働いている中で、刑事課への異動で刑事として働くことが可能となります。
ただ、警察官になったからと言ってすぐに刑事として働けるわけではありません。6ヵ月〜10ヵ月程度の警察学校を卒業した後は、1〜3年程度交番勤務などの業務を経験します。
その後、上司からの評価や希望によって刑事課に配属される可能性があります。刑事課に配属されたら、晴れて刑事として働くことができるでしょう。
また、高卒や大卒、男女で刑事になる方法に差はありません。男性で大卒の方と高卒で女性の方でも、高卒で女性の方が先に刑事として働ける可能性も高いです。所属している警察本部の状況や上司からの推薦を貰えるかによっても異なることを理解しておきましょう。



刑事になってからの方が学ぶことが多くて大変です!
刑事に向いている人の特徴3選


刑事の仕事は、専門的な知識や経験だけでなく、体力や忍耐力も必要になります。そのため、どんな人が刑事に向いているかを理解しておくことが大切です。
刑事に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 正義感の強い人
- 体力があり不規則な働き方に対応できる人
- 勉強熱心で向上心のある人
現時点で上記に当てはまっていなくても、警察学校や警察官として他の業務で働きながら刑事に向いている人の特徴に当てはまることは可能です。上記3つがなぜ刑事に向いている特徴なのかを理解しておきましょう。



気持ちの面でも刑事に向いているかどうかが異なります!
正義感の強い人
刑事に向いている人の特徴として、正義感の強い人が挙げられます。刑事の仕事は、犯人を逮捕して終わりではありません。被害者遺族の方から話を聞いたり、理不尽な経験を目の当たりにしたりすることもあります。
そのような場面でも強い正義感を持ち、犯人逮捕のために行動できるかどうかが非常に大切です。厳しい取り調べや難航する捜査でも、強い正義感を持っていれば挫けることなく職務を全うできるでしょう。
体力があり不規則な働き方に対応できる人
刑事に向いている人の特徴として、体力があり不規則な働き方に対応できる人が挙げられます。刑事が必要になるケースは、昼間だけではありません。夜間の事件にも対応しなければならず、不規則な働き方となる可能性が高いです。
また、長時間の張り込みや急な捜査会議など不規則な上に体力も必要です。そのため、どんなスケジュールでも柔軟に対応できる能力が求められます。健康管理や自己コントロールができる刑事こそ長く活躍できるでしょう、
勉強熱心で向上心のある人
刑事に向いている人の特徴として、勉強熱心で向上心のある人が挙げられます。
刑事には、刑法・刑事訴訟法をはじめとした法律知識や調書作成のスキル、時には心理学やITリテラシーなどの専門的知識が求められます。日々進化する犯罪手口に対応するには、常に知識をアップデートし続ける姿勢が必要です。
また、取り調べ技術や交渉力などは経験と努力によって向上するため「もっと良い捜査がしたい」「被害者のために力になりたい」といった向上心のある人が刑事に向いていると言えるでしょう。



刑事として働きたいならこの3つのどれかは必ず必要となります!
警察官と刑事の違いに関するよくある質問


警察官と刑事の違いに関するよくある質問をまとめたので、気になる方は確認してみてください。
- 警察官と刑事では年収や給料が異なりますか?
-
警察官と刑事では、年収や給料に大きな違いはありません。警察官も刑事も同じ「警察官の給与体系」に従っており、階級や勤続年数、地域手当などで年収が決まります。ただ、刑事は激務になりやすく、残業や深夜手当が多く付く傾向があるため、実質的に年収が高くなる場合もあります。
- 警察官や刑事と「お巡りさん」は別の職業ですか?
-
警察官や刑事と「お巡りさん」は同じ職業です。「お巡りさん」は、地域で働く警察官を親しみを込めて呼ぶ俗称です。特に交番勤務の警察官を指すことが多いですが、正式には「警察官」であり、刑事や交通警察官も含まれます。
- 警察官と刑事で従うべき法律は違う?
-
どちらも刑法や刑事訴訟法、警察法など共通の法律に従って活動しています。ただし、刑事は「捜査」に特化しているため、捜査手続きに関する法律や判例知識がより重要になるのが特徴です。
警察官と刑事の違いを理解してやりたいことを明確に


刑事として働きたい方は、警察官と刑事の違いを明確に理解しておきましょう。違いを理解しておくことで、警察官として何がやりたいのかを明確にできます。
また、一般的な警察官や刑事として働くためには「警察官採用試験」に合格しなければいけません。警察官採用試験合格を目指すなら「警志塾」がおすすめです。
警志塾は、警視庁を中心とした警察官採用試験合格を目指す予備校であり、警視庁OBの講師も在籍しています。実際の現場でしか得られない経験なども質問できるため、他の受験者よりも一歩リードした採用試験対策ができるでしょう。



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