50代を迎えると、定年までのキャリアをどのように描くかあらためて考える機会が増えてきます。
その中で、警察官になるという道が選択肢の一つとして浮かぶ人もいるでしょう。
警視庁では令和8年度に社会人採用選考が開催され、50代にも警察官を目指す機会が設けられました。
次年度以降の実施は未定ですが、50代から警察官を目指すのであれば、採用後の訓練や実務のことまで見据えておく必要があります。
警察学校での訓練や若い世代との集団生活、交番勤務から始まる可能性の高い現場配属など、事前に理解しておくべき現実は少なくありません。
安齋元警視庁・警志塾講師の安齋です!
この記事では、制度の概要とあわせて、合格後に待つ環境や負担、50代から挑戦するうえで持っておきたい視点を詳しく解説します。
50代から警察官を目指す人が出てきた背景
警視庁で令和8年度に開催された社会人採用選考では、対象年齢が50代まで拡大されました。
背景には採用環境の変化もありますが、社会人経験を持つ人材を戦力として迎え入れる狙いもあります。
50代はこれまでの社会経験を踏まえ、定年までのキャリアをどう過ごすかを考える時期です。
若い頃に抱いた志を見つめ直し、社会に貢献できる仕事を選びたいと考える人もいます。
今回の制度は、そうした思いを形にする一つの機会となりました。
次年度以降の開催については現時点で公表されていませんが、警察官を目指す50代にとって、一定の意義を持った出来事であったといえるでしょう。
50代から警察官を目指すことは可能なのか
令和8年度開催の社会人採用選考により、制度上は50代でも警察官になれる可能性が生まれました。
従来のⅠ類・Ⅲ類採用では年齢要件が比較的低く設定されていましたが、社会人採用では年齢だけでなく、これまでの社会人経験も踏まえて選考がおこなわれます。
ここでは、令和8年度の警視庁の社会人採用選考の概要と、必要な条件について見ていきましょう。
警視庁の社会人採用試験の概要
警視庁の社会人採用試験は、民間企業などでの就業経験を持つ人を対象にした採用制度です。
一般的な新卒向け採用とは異なり、社会人としての職務経験や人物面を重視する点が特徴とされています。
試験の概要は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験時期 | 8月〜9月ごろ |
| 一次試験 | SPI試験・書類選考 |
| 二次試験 | 面接試験・身体検査・体力検査 |
| 職務経験 | 学歴や試験区分により必要年数が異なる |
社会人採用であっても、警察官として必要な適性や体力が求められる点は一般採用と変わりません。
試験の詳細や条件は年度によって変更されることもあるため、受験を検討する際は最新の募集要項を確認するようにしましょう。
50代が対象になる年齢要件と注意点
令和8年度採用の警視庁社会人採用選考では、23歳から60歳までが受験対象とされました。
年齢の幅は広がりましたが、受験には所定の応募資格をクリアしている必要があります。
- 日本国籍を有していること
- 拘禁刑以上の刑に処せられた場合、その執行がすでに終了している、または執行を受けることがなくなっている状態であること
- 東京都職員として懲戒免職の処分を受けた場合、当該処分の日から2年を経過していること
- 日本国憲法や政府を暴力によって破壊することを主張する団体を結成・加入していないこと
- 平成11年改正前の民法に基づく準禁治産の宣告を受けていないこと(心神耗弱を原因とするものを除く)
これらの条件を一つでも満たしていない場合、受験ができません。
また、社会人採用では学歴ごとに必要な職務経験年数が異なります。
職務経験年数は累積で計算されるため、50代にとって極端に難しい基準ではありません。
ただし、6ヵ月未満の就業期間は経験年数に含まれないなどの注意点もあります。



転職回数が多い場合や非正規雇用などで短期間の勤務が多い場合は、事前に職務経験年数を確認しておくことが重要です。
50代で警察学校に入ったらどうなる?
社会人採用で警察官になった場合でも、例外なく警察学校からのスタートとなります。
50代から新たに法律や実務知識を学ぶことは、想像以上に負荷がかかることです。
加えて、若い世代と同じ環境で訓練や集団生活を送ることになるため、生活面や人間関係に不安を抱く人も少なくありません。
ここでは、50代が警察学校に入る前に知っておきたい現実を、訓練・生活・人間関係の観点から整理します。
体力面・訓練について知っておきたい現実
警察学校では、座学だけでなく体力訓練もカリキュラムに含まれます。
年齢や採用区分に関係なく、警察官として現場に出るための体力水準が求められるのです。
訓練では、インターバル走のような持久力トレーニングや、素早い動きを求められる種目もあり、50代には負担が大きいと感じることもあるでしょう。
大切なのは、若い世代と競うことではなく、職務を安全に遂行できる水準を確保することです。
体力に不安がある場合は、受験を決めた段階から計画的に準備を進めておく必要があります。
寮生活や集団行動で戸惑いやすいポイント
警察学校では、寮生活が基本となり、相部屋での集団生活を送ることになります。
現時点では社会人採用を特別に分ける運用は示されておらず、年の離れた10代・20代と相部屋になる可能性も想定されます。
社会経験を重ね、生活スタイルがある程度固まっている50代にとって、世代の異なる若者との共同生活は想像以上にストレスを感じる場面もあるでしょう。
また、警察学校では集団行動が徹底されており、号令や整列、報告の仕方など、細かな規律を守ることが求められます。
これまで管理職やベテランの立場で働いてきた人ほど、指示を受ける立場に戸惑いを覚えるかもしれません。
50代で警察官を目指すのであれば、こうした環境変化を受け入れる気持ちが大切です。
年齢より「期」が優先される警察独自の人間関係
警察の世界では、年齢や社会経験よりも「期(き)」と呼ばれる入校時期の序列が重視されます。
警察学校に同じタイミングで入校した者が同期となり、期が上の者が先輩、下の者が後輩という関係になります。
そのため、50代で入校した場合、自分より年下の先輩から指導を受けることは避けられません。



社会人から警察官になることは、年齢ではなく「期」を基準とした上下関係を受け入れられるかどうかも、重要なポイントなのです!
50代新人警察官の働き方と負担
警察学校を卒業すると、50代であっても新人警察官としてのキャリアが始まります。
年齢やこれまでの社会人経験に関わらず、基本的な働き方は若い世代と同じです。
一定の配慮がなされる可能性はありますが、体力や生活リズムに負担のかかる勤務にも日々向き合うことになります。
ここでは、50代の新人警察官の配属先や体力的な負担など、現場で直面する現実について解説します。
配属は交番から始まる可能性が高い
社会人採用であっても、配属は交番勤務から始まる可能性が高いとされています。
まずは地域警察官として交番に立ち、住民対応や巡回、各種事案への初動対応など幅広い業務を経験していきます。
当直や24時間勤務を含む勤務形態もあるため、日勤中心で働いてきた場合は生活リズムを整えるのに苦労するかもしれません。
どれだけ社会人としての経験や志があっても、交番勤務を通じて、業務の基本を一から学んでいくのです。
装備品や勤務形態による身体的な負荷
交番勤務では、立ち仕事や巡回などが基本となり、状況によっては緊急対応も求められます。
職務中は、2〜3kgある防刃衣を着用し、無線機や警棒なども携行します。
重い装備を身につけたままの長時間勤務は、気づかないうちに疲労を蓄積させ、体力の消耗につながります。
体力の回復が遅くなる50代にとっては、日々の体調管理に加え、基礎体力を維持できるかどうかが重要なポイントになるでしょう。
年下の先輩から指導を受ける立場になる現実
50代で採用された場合でも、現場では新人としてのスタートになります。
警察では年齢よりも在籍年数が重視されるため、一回り以上年下の警察官が指導役になる場面も珍しくありません。
これまで部下を指導する役割だった人ほど、立場の逆転に戸惑いを覚えることもあるでしょう。
ただ、それは組織の仕組みによるものであり、自分の価値や能力を否定されているわけではありません。
50代から警察官を目指すのであれば、これまでの肩書きや経験をいったん横に置き、素直に学ぶ姿勢を持てるかどうかがポイントです。
定年までの残り年数をどう考えるべきか
警視庁の警察官定年は、段階的な引き上げが進められており、将来的には65歳となる予定です。
50代で警察官になった場合、定年まで働ける期間は数年から長くても15年程度で、決して長いとはいえません。
だからこそ、「なぜ今から警察官を目指すのか」を受験前に自分自身へ問い直しておく必要があります。
何を成し遂げたいのか、どのように組織や地域へ貢献したいのかを整理し、限られた時間をどう使うのかを考えることが重要です。
また、60歳以降は勤務形態や役割が変わる可能性もあります。
定年延長や再任用という選択肢もありますが、体力や家庭環境、老後資金とのバランスも現実的に見据えておかなければなりません。



50代からの挑戦は、単なる転職ではありません。
残されたキャリアの時間をどう使うのかという決断でもあるのです!
【50代】警察官がおすすめな人・不向きな人
50代から警察官を目指すことは制度上可能ですが、誰にとってもおすすめできる選択肢とはいえません。
体力や生活リズムの変化、年下から指導を受ける立場、定年までの限られた時間など、50代ならではのハードルがあります。
ここでは、50代から警察官を目指すのに向いている人と、慎重に考えた方がよい人の特徴を整理します。
50代から警察官への転職がおすすめな人の特徴
50代から警察官を目指す場合、警察官への思いだけでは足りません。
体力面はもちろん、これまでの肩書きや立場にとらわれず、新しい環境に身を置く覚悟が求められます。
それに加えて、定年までの限られた在職期間のなかで、目的を持って働けるかも重要なポイントです。
以下は、50代から警察官を目指すうえで相性がよいと考えられる要素です。
- 現職と両立しながら、計画的に採用選考の準備を進められる
- 「なぜ今、警察官を目指すのか」を自分の言葉で説明できる
- 体力の衰えを前提に、日頃から継続的な健康管理をおこなっている
- 年下の先輩からの指導を素直に受け止め、新人として一から学ぶ姿勢を持てる
- 世代の離れた仲間との集団生活や訓練にも適応できる柔軟性がある
- 当直や24時間勤務など、不規則な生活リズムに対応できる
- 定年までの年数を踏まえ、自身の人生設計と整合性が取れている
すべてに当てはまる必要はありませんが、50代からの挑戦において、若さで補うことはできません。
体力の維持に対する努力や、一から学ぶ姿勢は不可欠です。
残されたキャリアの時間をどう使うのかを明確にできる人ほど、警察官を目指す道は前向きなものになるでしょう。
50代から警察官を目指すのが厳しい人の特徴
50代から警察官を目指すことは、新卒や若い世代での採用と比べると、乗り越えるべきハードルが多いのが現実です。
どれだけ強い思いがあっても、持病や慢性的な体力不安がある場合は慎重に考える必要があります。
また、年下の先輩から指導を受けることや、若い世代との共同生活など、これまで築いてきた立場をいったん脇に置く覚悟も求められます。
プライドが先に立ち、新しいやり方を受け入れられない場合は、採用されても組織の中で孤立してしまう可能性があります。
さらに、「安定していそうだから」「最後に公務員を経験してみたい」といった曖昧な動機だけでは、限られた在職期間を乗り切るのは難しいでしょう。



気持ちと身体の両面を整え、環境の変化を前向きに受け止められるか。
それが、50代から警察官を目指すうえでの重要な判断材料です!
50代から警察官を目指す前に整理しておきたいポイント
社会人採用制度の拡充により、50代でも警察官を目指す機会が設けられました。
ただし、その決断には相応の覚悟が求められます。
警察学校での訓練や集団生活、不規則な現場勤務など、これまでの立場や経験をいったん横に置き、一から学ぶ姿勢が必要です。
体力面の不安や定年までの限られた期間、家族や老後設計とのバランスといった現実も避けては通れないでしょう。
それでも「今こそ挑戦したい」という明確な理由があるならば、50代からの警察官転職は無謀ではありません。
受験を考える場合は、まず公式サイトで最新情報を確認することから始めてください。
とくに警視庁の社会人採用選考は、受付期間が8月の約10日間と非常に短く、この期間を逃すと原則翌年まで受験できないため、早めの情報収集と準備が重要です。
また、50代からの挑戦では、限られた時間の中で効率よく対策を進めることが欠かせません。
周囲に受験仲間が少ない環境で努力を続けることも、大きな課題になります。
そんな受験生のために、警志塾では「仕事や家庭と両立しながら準備を進められるようサポート体制」を整えています。
今年は「もう一度警察官を目指したい」という強い思いを持つ40代・50代の方が3名入塾し、それぞれ本気で挑戦を始めています。
志を同じくする仲間とともに準備を進めることは、大きな支えになります。



少しでも不安があるのであれば、まずは警志塾の無料相談を受けてみるのがおすすめです。
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